映画「37Seconds」
(C)37Seconds filmpartners

ベルリン国際映画祭史上初の2冠!!
日本映画界に大きな刺激を与える傑作。

世界各国の映画祭で称賛され評価を得ている「37Seconds」。

  • よくある障害者を描くお涙頂戴じゃないの?
  • ラスト20分、涙が止まらないって本当?
  • 映画祭で評価されるってどんな点?

主人公ユマを演じた佳山明の文字通り体当たり演技に冒頭から衝撃を受けます!
そして、大東駿介さんがアクセントとなる良い演技をされています。

『37セカンズ』主なキャスト

貴田ユマ(佳山明)

生まれた時に、たった37秒息をしていなかったことで脳性麻痺になる。
親友の漫画家のゴーストライターとしてひっそりと社会に存在している。

高田恭子(神野三鈴)

ユマの母。娘を思いすぎるあまり過保護な育て方をして子供扱い。
ユマが生きがいで心配性。

俊哉(大東駿介)

障害者に偏見を持たず自然と接する介護士。ひょんなことからユマと出会い、彼女の本音を徐々に知り、ユマの行動をサポートする。

舞(渡辺真起子)

障害者への性サービスを行っている女性。
ユマから頼られ、ユマの背中を後押しする大人の女性。

藤本(板谷由夏)

アダルト雑誌編集長。
ユマの持ち込んだマンガに対してアドバイスを送る。

『37セカンズ』あらすじ

出生時に37秒間息をしていなかったことが原因で障害が残り、車椅子の生活を送る漫画家のユマ。
しかし実は親友のゴーストライター。

親友は売れっ子漫画家として、同時に人気ユーチューバーとして日の目を見る存在。
片や自分は社会にひっそりと暮らす存在。
母親からも心配が過ぎて子供扱いされ、オシャレも一切させてもらえません。

そんなユマはいつの日か1人で生きていけるようになりたい!そう心に誓います。

初めは親友の担当者へ漫画を持ち込みましたが、作風が似ているということでNG。

なんとしても自らの力で独り立ちしたいユマは公園の隅で拾ったアダルト雑誌の出版社へ片っ端から電話し、売り込みます。
そこで出会った編集長にキャラクターなどは良いが、リアリティがない。
つまり、ユマ自身が大人の経験が無い事が漫画に出ているとダメ出しをされます。

夜の歌舞伎町でお金でコトをしようとするユマですが、肝心なところで相手側がダメになってしまい...

しかし、ホテルのエレベーターで舞と出会うことでユマの人生が少しずつ動いていきます。

舞は母親にも相談できなかった性のことなど何でも相談できる大人の女性。
そして舞と一緒に居た介護士の俊哉と出会うことで大きく背中を押されていきます。

夢と直感だけを信じて、道を切り開いていくユマ。
その先で彼女を待ち受けていたのは...

出生時の秘密が明らかになっていきます。

『37セカンズ』ネタバレラスト

ここからはネタバレを含んでいます。
作品の良さを味わっていただくためにもまだ見ていない場合はネタバレを見ずに感想を読んで頂くことをおすすめします。

いつまでも子供扱いのままじゃなく、1人の大人の女性として社会から扱ってもらいたいユマは舞たちの協力もあり、化粧を覚えたりオシャレを覚えていきます。

しかし夜遊びが過ぎ、心配する母はユマを家に極力閉じ込めようとします。
それに反発するようにユマは舞に連絡しては遊びに大人の世界に連れて行ってもらい、ついにはお酒で酔っ払って帰ってしまいます。

そんな姿を見た母はついにスマホも没収。
完全にユマを自分の監視下に置こうとしますがスキを見て逃げ出すユマ。

アテもなく飛び出したユマを助けてくれたのは舞と俊哉でした。
そして、唯一のアテとして幼い頃から大事にしていた絵手紙の差出人、父親の元へ向かいます。

差し出された住所を目指すユマと俊哉。
出てきたのは父親らしき男性。

感動の再開と思いきや、男性から思いもよらぬ言葉をかけられます。

それは「自分がユマの父親の弟であること。そしてユマの父は5年前に亡くなったこと」
そして「ユマには双子の姉が居てタイで教師をしていること」を知らされます。

ユマは顔もわからない姉に会うためタイに飛び立ちます。

ついに姉と会い、感動の再会を果たします。
そして姉からは母親がユマの事が一番大事だから離婚したんじゃないか。と聞かされます。

別れ際、姉から実はユマの存在は知っていたが、同時に障害があることが分かっていたので会いに行く勇気が無くてゴメンと謝られます。

姉からの言葉にユマは優しく手を握り、ハグをして必ず日本で再会を誓うのでした。
その晩、俊哉に後に生まれたのが自分で37秒間息が止まったのが姉じゃなく自分で良かったと口にします。

日本に帰り母の元へ帰るユマ。
何も言わずに優しく迎える母。
そんな母にお土産として差し出したのはユマのスケッチブックでした。

それを見て大粒の涙を流す母。そこには元気な姉が描かれていました。

後日、編集長に背中を押されたとお礼を言いに行くユマ。
それだけに来たの?と藤本編集長に驚かれますが、最近書いている漫画はないの?
と聞かれてアダルトは書いていないんです...と返答するユマ。

そしてipadに入った漫画を見せます。
藤本編集長にはこの漫画をメールで頂戴と言われます。

お礼を言えたことで帰っていくユマ。
一方、藤本編集長は誰かに一本の電話をかけました。

そして、開口一番「面白い漫画を書く子がいるのよ」と同業者に語ります。

ユマが1人の力で道を開いたのでした。

『37セカンズ』感想

「ラスト20分、涙が止まらない。」

ベルリン国際映画祭史上初の2冠。というのも大げさだと思っていましたが、体の芯から震え号泣しました

障害者を描いたお涙頂戴じゃなく、我が子を想う母、1人で道を開いていく娘。
泣いた!前評判で感動作と言われていたので心構えをしていたのに大いに泣きました!

私は劇場で37Secondsを鑑賞しましたが、後半からはすすり泣く声、ティッシュを出す音、誰もが心を打たれた事が伝わってきました。

そして周りの良き理解者たちのサポートにも泣かされました。

ネタバレまで書いてしまいましたが、是非見てほしい作品ですし、後悔のない映画でした。

『37セカンズ』評価

個人的な評価として、泣ける度は満点です。

何より、主人公ユマを演じたのは37Secondsが初出演で主演の佳山明さん。
オーディションから選ばれ抜擢された主役。
彼女の演技がなければここまで高評価になることは無かったのではないでしょうか?

そして母親役を演じた神野三鈴さん。
どちらも言葉ではなく、表情で伝わってくる感情表現は引き込まれてしまいます。
現代を代表する演出家から厚い信頼を寄せられている女優の演技は必見です。

そして、大東駿介さんをはじめ脇を固める演者が素晴らしいことが世界で評価を得ている理由だと感じました。

特定非営利活動法人ノアール代表の熊篠慶彦さんも脳性麻痺の障害を抱えていますが、医療、介護、風俗産業など、さまざまな現場で障害者の性的幸福追求権が無視されている現状に体当たりで表現されている点にも注目です。

ただ、冒頭から佳山明が文字通り体当たり演技の入力シーンや、性描写を描くシーンなどがありますので、PG12指定という点にはご注意ください。

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