今回スポットを当てる映画は2017年11月4日に公開された映画

ゾンビ”と”ものづくりへの情熱”のハイブリッド!?『カメラを止めるな!

観る者誰もが”面白い!”と大絶賛する作品、『カメラを止めるな!』。

オーディションで無名の俳優を選び、超低予算(わずか300万円)で制作されたカメラを止めるな!。

そのクオリティの高さから、国内に限らず海外でも数々の賞を受賞しています。

そして、制作時には監督すらも無名だったということですから、本当に驚きを隠せません。

ゾンビ”というある種伝統的な映画テーマと、”映画を撮ること”というテーマを高いレベルで融合させたこちらの作品を紹介したいと思います。

『カメラを止めるな!』ってどんな話?

とある山奥にて、廃墟を舞台におどろおどろしいゾンビ映画を撮影する男女数名のグループ。

監督は撮影に熱がこもり、なかなかOKテイクを出さない監督と、疲れを隠せない出演者&その他スタッフたち。

そんな中、急な物音を皮切りに、撮影現場は不穏な事態に見舞われます。

ゾンビ映画を撮影していたはずが、突然ゾンビが現れ、撮影グループに襲い掛かります。

“本物の映画が撮れる”と熱狂する監督と、逃げ惑う撮影グループたちが迎える結末とは…?


ありきたりなホラー映画かと思いきや、実は”ゾンビ映画を撮っていたらゾンビに襲われた!”

という映画が、特番として生放送(しかもワンカットで)されていたのです。

台本を推敲し、リハーサルを重ね、できる限り万全の状態で撮影に挑もうとした監督。

ですが、実際には生放送開始直前からトラブルだらけ。

そんな状態でもなんとか映画を成り立たせ、生放送を完走させるために七転八倒する監督たち。

できあがった映画は、ところどころイビツではありましたが、

本当はたくさんの人々の想いが重なった最高のエンターテイメント作品となっていたことがわかるのでした。

『カメラを止めるな!』は何が面白いのか?

まず、冒頭の37分間が怒涛のワンカットであるところです。

何も予備知識がないところにこの作品を観はじめた方は、その不思議な作風に戸惑いを隠せないと思います。

(面白くない!とすら思う方もおられるかもしれません。)

ですが、その37分を過ぎたあと、”そうだったのか!”とたくさんの伏線が回収されて行きます。

しかもそこに関わったキャラクターたちの背景が絡み合うことで、

ただただグロテスクでよくわからなかった映画すらも愛おしく思えてくるところが、とても面白いと思います。

そして、ひしひしと伝わってくるのが、

このたったひとつの作品を作り上げるために、これほどの人数が必死で心血を注いでいるんだぞ

という想いです。

たとえ万全の形でなくとも、プライドを持って作品を作り上げるということの大切さや尊さ。

そうして迎える大団円のカタルシスが相まって、

最後には爽やかな気持ちすら抱かせてくれる”ゾンビ映画であるというところが、

この映画が素晴らしく、面白いところなのです。

『カメラを止めるな!』総括

単純に、”面白い映画を求めている方”には自信をもってオススメできます。

洋邦問わずたくさんの映画を観てきた映画通の方でも、この作品の構成の面白さにはきっと引き込まれるはずですし、普段映画を観ないという方でも楽しく観られると思います。

その他にも”夢に向かって努力している方”や、”過去に挫折を味わって夢を諦めてしまったことがある方”にもオススメしたいと私は思います。

夢に取り組む辛さや楽しさを味わったことのある方には、絶対にこの映画の根底にあるものを敏感にくみ取り、共感できるはずです。

逆に『カメラを止めるな!』をオススメできない人としては、どうしても”ゾンビ映画”であるので、グロテスクな表現があることは避けられません。

そのため、ホラー的な表現が苦手な方にはあまりオススメすることはできません

また、こちらの映画は無名の俳優ばかりが出演しているうえ、この独特な映画の構成もあってか、

良くも悪くも”演劇を鑑賞している”ように感じることもあるかもしれません。
(有名な俳優がたくさん出てきて、派手なシーンが目白押し!という映画ではないのです)

そういった意味では、本作品はある程度人を選ぶ映画であると言えます。