今回スポットを当てる映画は2018年3月3日に公開された日本のアニメ映画「ドラえもん のび太の宝島」
映画ドラえもんシリーズとしては38作目になる。
キャッチコピーは
- 「見つけたのは、宝物以上の、宝物。」
- 「勇気と友情は、海賊にも奪えない宝物だ。」
- 「その島を作ったのは、愛でした。」
主題歌は星野源さんの「ドラえもん」
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映画「ドラえもん のび太の宝島」あらすじ
本の「宝島」を読んで宝探しに憧れるのび太。
いつも通りドラえもんに泣きついて「宝さがし地図」を出してもらったところ、宝がある島を見つけ、帆船で宝島を目指していつもの仲間と航海することになりました。
しかし、宝島に近づいたところ本物の海賊が現れのび太の船に乗り込み、戦闘の末しずかちゃんを連れ去ってしまいます。
宝島は潜水艦に変形し海賊たちは行方をくらましました。
海に少年が漂っていたので助けたところフロックという宝島のメカニックで、残してきた妹としずかちゃんを助けるためにドラえもんたちと潜水艦を追いかけることになりました。
一方、連れ去られたしずかちゃんはフロックの妹セーラとそっくりで、彼女と間違われて連れ去られていました。
潜水艦に着いたしずかちゃんはセーラの部屋に案内され彼女の好意で行動を共にします。
艦内は現代にはない高度な技術が駆使された建物やロボット等があり海賊船には見えません。
目的地である大西洋中央海嶺に到着した潜水艦は浮上し、船長が船の目的は「ノアの方舟計画」を遂行するためだと述べます。
船内の人類を地球から別の星に移住させようというのです。
この時、のび太たちが海賊船に追いつきこれを知ったしずかちゃんとセーラは外に飛び出します。
のび太の帆船は海賊船の攻撃に遭い沈没し、しずかちゃんは船長の下へ。
のび太たちは救命いかだで難を逃れセーラと合流し、改めて海賊船へしずかちゃんを助けに行きます。
船長は実はフロックのお父さんで、優秀な技術者でしたが、妻に病死された上、地球の残酷な未来を見てしまい、地球は助けられないと悟り「ノアの方舟計画」を遂行するようになっていたのでした。
大西洋中央海嶺で地球の地熱エネルギーを得て宇宙へ飛び立とうとした時にのび太たちは追いつき、ドラえもんは地球のエネルギーを取り戻すためにエネルギー玉へ取り付きますが飲み込まれてしまいます。
フロックは父の妨害を受けながらもエネルギー玉の施設を船から切り離すことに成功。
ドラえもんを助けに向かったのび太は一緒に落下するもののスネ夫らが指揮する空飛ぶ帆船で救出されフロックらと合流。
フロックらは父親に正気に戻るよう諭したところ、父親は「ノアの方舟計画」を手放しハッピーエンドとなりました。
ドラえもん のび太の宝島 見どころ
ドラえもん全般に見られることですが、この映画も人情味や優しさにあふれています。誰でも遭遇するかもしれない配偶者との死別による悲壮によって曲ってしまったフロックの父親を、子供たちとともにドラえもんらが立ち直るのを手助けしています。
また、地熱エネルギー利用や風力エネルギーの活用、海賊にありきたりな肉を食べる描写がなく、地球と動物に優しい未来を視聴者にそれとなく示しています。
更に、ドラえもんがエネルギー玉に飲み込まれ死んでしまうかもしれない時にのび太が身の危険も顧みず助けに行き助かる場面は感動的です。
また、海賊とドラえもんたちの秘密道具による2度の戦いはアクション性が高く面白いでしょう。
更に、のび太がしずかちゃんを助けに帆船で向かう航海の様子は、助ける目的があるものの、非日常的で視聴者が一緒に孤独な航海をしているような、孤高感と冒険心をくすぐるような、それでも穏やかな気分にさせてくれます。
フロックはクイズという子守ロボットを連れていますが、そのロボットとドラえもんたちの愉快な描写が心和ませます。
ドラえもん のび太の宝島 感想
海賊船と宝、ノアの方舟計画、星間旅行と全然関係なさそうな話が次々とつながって展開されて、些細な出来事が壮大な話につながる圧倒感を感じました。
一見するとノアの方舟計画を妨げられたフロックの父親がフロックらに説得されるのがすんなりと行き過ぎて物足りなさを感じることもあると思います。
ですが、フロックが成長したところを見て亡き妻の面影を見ることが出来、また、説得の途中で壁が崩れ外の光景が見えたのが亡き妻からの励ましのメッセージと父親には受け取られ、彼が一番願っていた亡き妻との再会が実現したように思えたからだと思います。
味わい深い内容です。
また、ドラえもんを助けるためにのび太がはるか下にあるエネルギー玉付近めがけて重力ペンキを頼りに飛び込む場面は大人でも尻込みするところをよく出来るなと感心しました。
この映画では海賊は食堂でも肉がなく肉を食べませんが、これは作者が畜産の環境問題や飢餓問題、平和への悪影響をネガティブに捉えているのはもちろんのこと、動物への愛を感じ、優しい映画だと感じました。
次世代を担う子供たちへの一番の大切なメッセージなのではないかと思いました。