異性より同性に惹かれる、恋愛対象に性別は関係ない、生まれた性に違和感がある...
LGBTという言葉を目にするようになり、多様なセクシュアリティや悩みを知る機会が増えてきました。

今回紹介するのは、LGBTにスポットを当てた映画20作
偏見や差別への苦しみとの戦い、理解者との出会い。
葛藤を経て、自分らしくあろうとする姿。
そして家族や友人、恋人の接し方。
作品によっては、自分のセクシュアリティに気付く瞬間が描かれているものも。

また、高評価を得た名作や、俳優の熱演に引き込まれる作品が多いのも魅力の一つ。

実話が基になっているもの。
人を愛する純粋な姿が心に響くラブストーリー。
余韻から抜け出せないスリラー。
心を揺さぶるヒューマンドラマ。
4つのジャンルに分け、作品情報と見どころ、LGBTのどのカテゴリーか、そして作品の魅力を分かりやすくお伝えします。

人と違うことや理解されにくいことに、悩みを抱えている人へ。
LGBTについて知りたい、または接し方に悩んでいる人へ。
映画好きだけでなく、様々な人に見て欲しいLGBT映画の紹介です。

※LGBTとはLesbian(レズビアン:女性の同性愛者)、Gay(ゲイ:男性の同性愛者)、Bisexual(バイセクシャル:両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー:心と体の性が一致しない)の頭文字をとって組み合わせた言葉。

実話に基づく

差別との戦いに挑んだ人もいれば、身を守る為、自分のセクシュアリティを隠してきた人もいる。
偉人や有名人の人生、LGBTの立場を変えた出来事が描かれている11作品
実話が基だからこそ、見終わった時に様々な感情が湧き上がります。

ダラス・バイヤーズクラブ

あらすじ
HIVで余命30日と告げられたロン。
国内では薬が手に入らず、メキシコで治療を受け、アメリカへ薬の密輸を試みます。
そして病院で同室だったレイヨンと再会。
ダラス・バイヤーズクラブを設立し、未承認薬販売を始めるのでした。

作品情報
カテゴリ:トランスジェンダー
監督:ジャン=マルク・ヴァレ
主なキャラクター:ロン・ウッドルーフ(マシュー・マコノヒー)、レイヨン(ジャレッド・レト)、イヴ・サックス(ジェニファー・ガーナー)
上映時間:117分
受賞歴:第86回アカデミー主演男優賞(マシュー・マコノヒー)、助演男優賞(ジャレッド・レト)、メイク・ヘアスタイリング賞、第71回ゴールデングローブ賞(ドラマ部門)主演男優賞(マシュー・マコノヒー)、助演男優賞(ジャレッド・レト)

見どころ
・絶望的な状況でも、生きることを諦めない主人公の強さ
・ロンとレイヨンに芽生える友情

生きることを諦めず、行動し続けるロンが印象的。
そして、トランスジェンダーのレイヨンとの出会いが差別的だった彼を変えるのも、この作品の注目点です。
レイヨンの外見やLGBTへの偏見ではなく、彼女の中身を見て、友人として側にいることを示したロン。
死が近づく中、自分の存在を受け入れた友の為にレイヨンが取る行動に、二人の友情の深さを感じさせられます。

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ハピネット ピーエム

チョコレートドーナツ

あらすじ
ショーダンサーのルディは、劣悪な環境で暮らすダウン症のマルコを保護。
少年を引き取り、恋人のポールと3人で家族として暮らし始めます。
しかし二人がゲイカップルという理由から、幸せな日々は奪われてしまうのでした。

作品情報
カテゴリ:ゲイ
監督:トラヴィス・ファイン
主なキャラクター:ルディ・ドナテロ(アラン・カミング)、ポール・フラガー(ギャレット・ディラハント)、マルコ・ディレオン(アイザック・レイヴァ)
上映時間:97分
受賞歴:第38回シアトル映画祭観客賞、第48回シカゴ国際映画祭観客賞、第11回トライべッカ映画祭観客賞

見どころ
・子供にとって必要なものとは?
・3人が家族として暮らした穏やかな日々

幸せって一体何でしょうか。
ゲイカップルと、麻薬中毒の母親にネグレクトされた自閉症の少年。
誰もが気に留めない人生を送る3人は、家族になり、愛に満ちた生活を始めます。
忘れられないのは、初めて親の愛を知り、安心して暮らすマルコの表情。
周りがどう言おうと、間違いなく彼らは幸せな家族。
涙なしでは見られない、心に突き刺さる作品です。

ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気

あらすじ
パートナーのステイシーと暮らす、警察官のローレル。
末期がんが判明し、ステイシーに遺族年金を遺そうとします。
ところが、同性パートナーは対象外と申請は拒否。
愛する人の為、平等の権利を求め、ローレルは制度改正の戦いに挑みます。

作品情報
カテゴリ:レズビアン
監督:ピーター・ソレット
主なキャラクター:ローレル・へスター(ジュリアン・ムーア)、ステイシー・アンドレ(エレン・ペイジ)、デイン・ウェルズ(マイケル・シャノン)
上映時間:103分

見どころ
・同性愛者に対する理不尽さとの戦い
・愛する人の為に何をするか

同性愛者という理由だけで、ローレル自身を見ようとしない郡政委員。
理不尽な対応をする彼らに、平等の権利を得る戦いを続けるローレル。
その戦いは、想像を超えるムーブメントへと発展していきます。
身も心も削る状況の中でも、パートナーの為に諦めないローレルと、献身的に彼女を支えるステイシー。
愛する人の為に何ができるか。
お互いを想う二人の関係が、とても印象的。

ボーイズ・ドント・クライ

あらすじ
ブランドンは女性の体で生まれ、男性の心を持つトランスジェンダー。
それを隠したまま、フォールズ・シティで出会ったラナと恋に落ちます。
しかしある事件によって秘密が仲間に知られ、事態は思わぬ方向へ転がり始めます。

作品情報
カテゴリ:トランスジェンダー
監督:キンバリー・ピアース
主なキャラクター:ブランドン・ティーナ(ヒラリー・スワンク)、ラナ(クロエ・セヴェニー)、ジョン(ピーター・サースガード)
上映時間:118分
受賞歴:第72回アカデミー賞主演女優賞(ヒラリー・スワンク)、第57回ゴールデングローブ賞(ドラマ部門)主演女優賞(ヒラリー・スワンク)

見どころ
・トランスジェンダーを隠して生きる主人公
・LGBTへの偏見、ヘイトクライムの怖さ
・ブランドンとラナの愛

性別に関わらず、ブランドンを愛するラナ。
しかし秘密を知った仲間が、悲劇を起こします。
自分とは違うから、何をしてもいいと振る舞うジョンたち。
壮絶な描写にショックを受けますが、こうした事件が実際に起こったのです。
LGBTへの偏見、ヘイトクライムを増長する背景がなければ、違った未来があったのではないでしょうか。

ストーンウォール

あらすじ
故郷を追われたダニーは、ゲイのギャングを率いるレイに迎えられます。
そこで感じたのは、自由とセクシャルマイノリティーへの激しい差別。
若者たちが抱く恐怖は怒りに変わり、遂に爆発します。

作品情報
カテゴリ:ゲイ
監督:ローランド・エメリッヒ
主なキャラクター:ダニー(ジェレミー・アーヴァイン)、レイ(ジョニー・ボーシャン)、トレバー(ジョナサン・リース=マイヤーズ)、フィービ(ジョーイ・キング)、エド(ロン・パールマン)
上映時間:129分

見どころ
・仲間と出会い、自分らしく生き始める主人公
・LGBTへの容赦のない攻撃

望まれる自分になろうとし、絶望を味わったダニー。
LGBTへの偏見が強い故郷では、自分の人生を生きられなかったのです。
その苦しみから解放され、新しい街で仲間と出会った彼は、自由だけでなく激しい差別や暴力を目にするようになります。
ダニーの変化だけでなく、人と違うことを認めない社会へ反旗を翻す若者たちの力強さにも注目。

ジーア/悲劇のスーパーモデル

あらすじ
ファッションモデルになる為、NYへやって来たジア。
有名なモデルエージェントに見出され、瞬く間にスターになります。
しかし仕事は多忙を極め、大切な人は去っていく...
不安定になった彼女は、ドラッグへ手を染めます。

作品情報
カテゴリ:バイセクシャル
監督:マイケル・クリストファー
主なキャラクター:ジア・マリー・キャランジ(アンジェリーナ・ジョリー)、リンダ(エリザベス・ミッチェル)、ウィルヘルミーナ・クーパー(フェイ・ダナウェイ)、キャサリーン・キャランジ(マーセデス・ルール)、T.J.(エリック・マイケル・コール)
上映時間:126分
受賞歴:第55回ゴールデングローブ賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)主演女優賞(アンジェリーナ・ジョリー)、助演女優賞(フェイ・ダナウェイ)

見どころ
・愛を求め続けたジア
・ジア役のアンジェリーナ・ジョリーの表現力

世界中を魅了したスーパーモデルの中身は、愛に飢えた少女。
ジアが常に自分の側で愛してくれる人を求めていたのは、幼少期に母親の愛情を得られなかったから。
決して母の一番になれないことに絶望し、大切な人リンダともお互いが求める時に相手を選ばず、すれ違っていく。
支えを失った彼女は、あっという間に堕ちていきます。
彼女の複雑な魅力を引き出した、アンジェリーナ・ジョリーの演技が圧巻。

イヴ・サンローラン

あらすじ
新進気鋭の若手デザイナーとして、注目を浴びたイヴ・サン=ローラン。
パートナーの実業家ピエールと自身のサロンYSLを設立し、時代の寵愛を受けます。
しかし名声を得るほど、イヴは追い詰められていくのでした。

作品情報
カテゴリ:ゲイ
監督:ジャリル・レスペール
主なキャラクター:イヴ・サン=ローラン(ピエール・ニネ)、ピエール・ベルジュ(ギヨーム・ガリエンヌ)、ヴィクトワール(シャルロット・ルボン)
上映時間:106分
受賞歴:第40回セザール賞最優秀男優賞(ピエール・ニネ)

見どころ
・イヴ・サン=ローランの孤独と繊細さ
・生涯のパートナー、ピエールとの愛

イヴの生涯のパートナー、ピエール。
彼の存在がどれほど特別だったか、今作で知ることができます。
最愛の人と巡り会えても、消えることはない孤独と重圧。
それを拭おうと、ドラッグ、酒に溺れてしまうイヴ。
しかし裏切られても、ピエールは彼の側に居続けます。
他に愛する男がいる、それでも君は生涯の男。
ボロボロになったイヴのピエールへの言葉が、胸に刺さります。

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密

あらすじ
第二次世界大戦下、ドイツの暗号解読チームに選ばれた数学者アラン。
しかしメンバーに協力せず、暗号解読装置の設計に没頭。
孤立は深まり、スパイ疑惑まで浮上する中、唯一の理解者ジョーンの助けで彼は変化していきます。

作品情報
カテゴリ:ゲイ
監督:モルテン・ティルドゥム
主なキャラクター:アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)、ジョーン・クラーク(キーラ・ナイトレイ)、ヒュー・アレグザンダー(マシュー・グッド)、ミンギス少将(マーク・ストロング)
上映時間:114分
受賞歴:第87回アカデミー脚色賞

見どころ
・アランの偉業と秘密
・理解者ジョーンの存在

致命的なコミュニケーション力のなさと、発想やアイディアの独創性で驚かせてくれるアラン。
ジョーンの助けでチームに戻り、仲間と偉業達成に挑む姿は、緊張感とドラマに溢れています。
一方で同性愛が違法だった時代、秘密を知られた彼に示された選択肢が残酷。
時代によって、同性愛者の扱われ方がここまで違うことに衝撃を受けます。
重厚なストーリーと天才アランの孤独な生涯を、ぜひ一度鑑賞して下さい。

J・エドガー

あらすじ
8代の大統領に仕えてきたFBI長官J・エドガー・フーヴァー。
FBI発展に尽力する一方、強引な手法で大統領さえも黙らせる力を手に入れます。
彼は賞賛される人生に満足する一方で、自分の秘密が明らかになることを恐れていました。

作品情報
カテゴリ:ゲイ、バイセクシャル
監督:クリント・イーストウッド
主なキャラクター:ジョン・エドガー・フーヴァー(レオナルド・ディカプリオ)、クライド・トルソン(アーミー・ハマー)、ヘレン・ギャンディ(ナオミ・ワッツ)、アンナ・マリー・フーヴァー(ジュディ・デンチ)
上映時間:137分

見どころ
・秘密に包まれたフーヴァーの人生
・パートナー、クライドとの関係

支配的な母親の期待を背負い、理想の息子を目指してきたフーヴァー。
自分らしく生きることを許されない人生。
彼は何を思い、生きてきたのか...そんなことを考えずにはいられません。
最愛のパートナーであり、理解者クライドとの出会い。
力を求める表の顔と、クライドと過ごす時のフーヴァーを見比べてみて下さい。
力を求め続けた男の本当の姿が、そこに隠されているはずです。

ロケットマン

あらすじ
両親の愛を知らずに育ったレジナルド。
音楽の才能を開花させ、エルトン・ジョンと名を改めると、作詞家のバーニーと活動を始めます。
瞬く間にスターとなったエルトンでしたが、彼の孤独は深まる一方でした。

作品情報
カテゴリ:ゲイ
監督:デクスター・フレッチャー
主なキャラクター:エルトン・ジョン(タロン・エガートン)、バーニー・トーピン(ジェイミー・ベル)、ジョン・リード(リチャード・マッデン)、シーラ(ブライス・ダラス・ハワード)、スタンリー(スティーヴン・マッキントッシュ)、アイヴィ(ジェマ・ジョーンズ)
上映時間:121分
受賞歴:第92回アカデミー賞歌曲賞、第77回ゴールデングローブ賞主演男優賞(タロン・エガートン)、主題歌賞

見どころ
・エルトン・ジョンの栄光と挫折、そして再起
・タロン・エガートンのパフォーマンス

世界中を熱狂させるミュージシャンになっても、本当に望むものは手に入らない。
孤独と負のスパイラルから抜け出せず、自暴自棄に生きるエルトンの姿が痛々しい。
どん底まで堕ちた彼が、まだ終わりじゃないと息を吹き返し、『アイム・スティル・スタンディング』の曲と共に再び輝く姿が印象的。
タロン・エガートンの素晴らしいパフォーマンスからも、目が離せません。

>>ロケットマン映画のネタバレ感想。エルトン・ジョンの伝記ミュージカル

ボヘミアン・ラプソディー

あらすじ
見事な歌声を披露し、バンドに迎えられたフレディ・マーキュリー。
クイーンと改名したバンドは、世界ツアーを成功させる人気バンドへ成長。
しかしメンバーとの確執やスキャンダルで、フレディは自分を見失っていきます。

作品情報
カテゴリ:ゲイ
監督:ブライアン・シンガー
主なキャラクター:フレディ・マーキュリー(ラミ・マレック)、ブライアン・メイ(グウィリム・リー)、ロジャー・テイラー(ベン・ハーディ)、ジョン・ディーコン(ジョゼフ・マゼロ)、メアリー・オースティン(ルーシー・ボイントン)、ジム・ハットン(アーロン・マカスカー)、ポール・プレンター(アレン・リーチ)
上映時間:134分
受賞歴:第91回アカデミー賞主演男優賞(ラミ・マレック)、編集賞、録音賞、音響編集賞、第76回ゴールデングローブ賞(ドラマ部門)作品賞、主演男優賞(ラミ・マレック)

見どころ
・世界的ロックバンド、クイーンの歴史
・赤裸々に描かれたフレディのプライベート

クイーンの歴史を、リアルタイムで見ているような感覚になる今作。
音楽で成功するものの、親しい人とは距離ができ、生活が乱れてボロボロになっていくフレディ。
彼の目を覚まさせた元恋人メアリーやジム、そして再び彼を受け入れた仲間の存在がどれだけ救いとなったか。
集大成となるライブエイドの臨場感、圧巻のパフォーマンスは鳥肌モノです。

ロマンス/青春

魂が揺さぶられるような、珠玉のラブストーリー。
主人公の多感さ、繊細さが表された青春映画。
そこに描かれているのは、相手の人間性に惚れ込み、お互いを慈しむような恋をする姿。
一度見たら忘れられない、心に響く作品を紹介します。

アデル、ブルーは熱い色

あらすじ
街で見かけた青い髪の女性エマが忘れられず、偶然再会した彼女と恋に落ちたアデル。
その恋は、心も体も一つになるような、初めての感覚でした。
性別を超えた運命の相手と過ごす日々に、アデルは幸せを感じます。

作品情報
カテゴリ:レズビアン、バイセクシャル
監督:アブデラティフ・ケシシュ
主なキャラクター:アデル(アデル・エグザルホプロス)、エマ(レア・セドゥ)
上映時間:179分
受賞歴:第66回カンヌ国際映画祭パルムドール(アブデラティフ・ケシシュ監督、アデル・エグザルホプロス、レア・セドゥ)

見どころ
・パルムドール受賞の、主演二人の演技
・性別を超えた運命の相手との恋

好きになったのが、たまたま女性だった。
性格も育ってきた環境も全く違うアデルとエマは、心満たされる相手との愛を育んでいきます。
3時間にも及ぶ作品ですが、2人の日常がじっくりと描かれているからこそ、恋の喜びや不安、少しずつ生じていく心のズレが繊細に表されています。
アデルとエマを全身全霊で演じた、二人の女優の演技に引き込まれます。

キャロル

あらすじ
デパートの玩具売場で働くテレーズと、娘へのクリスマスプレゼントを探しに来たキャロル。
夫や恋人との関係に問題を抱えながらも、少しずつ距離を縮める二人。
キャロルからの誘いで、車での小旅行に出かけることになり…。

作品情報
カテゴリ:レズビアン、バイセクシャル
監督:トッド・ヘインズ
主なキャラクター:キャロル・エアード(ケイト・ブランシェット)、テレーズ・べリベット(ルーニー・マーラ)、アビー・ゲルハルド(サラ・ポールソン)、ハージ・エアード(カイル・チャンドラ-)
上映時間:118分
受賞歴:第68回カンヌ国際映画祭女優賞(ルーニー・マーラ)、クィア・パルム

見どころ
・キャロルとテレーズの情熱的な恋
・卑劣な手を使う夫へ、キャロルが出す答え

自分を持った気高く、美しいキャロル。
彼女と恋に落ちたテレーズは、内気な自分から脱却し、夢を追いかける美しい女性へと変化していきます。
お互いを高め合い、思いやる二人の関係が素敵。
しかし二人の関係を許さないキャロルの夫は、子供を使って彼女を取り戻そうとします。
大切な人の間で揺れるキャロルが下す決断は、母として女としての芯の強さを感じさせます。

君の名前で僕を呼んで

あらすじ
北イタリアの避暑地で過ごすエリオは、父の研究の手伝いにやって来た大学院生のオリヴァーと出会います。
同じ時間を過ごす内に、彼に惹かれていくエリオ。
オリヴァーも同じ気持ちだと知り、二人は激しい恋に落ちます。

作品情報
カテゴリ:ゲイ、バイセクシャル
監督:ルカ・グァダニーノ
主なキャラクター:エリオ(ティモシー・シャラメ)、オリヴァー(アーミー・ハマー)、パールマン教授(マイケル・スタールバーグ)、アネラ・パールマン(アミラ・カサール)
上映時間:130分
受賞歴:第90回アカデミー脚色賞

見どころ
・夏の北イタリアの美しさ
・エリオとオリヴァーの甘く美しい恋
・息子を見守り、支えるエリオの両親

愛し合うことの素晴らしさ、別れの切なさが美しく描かれた珠玉のラブストーリー。
夏のイタリアの田舎町の景色と、二人の恋心に寄り添う音楽が、作品のきらめきや美しさを深めています。
もう一つ印象的なのが、同性に恋する息子を見守るエリオの両親。
彼の意思を尊重し、どうにもならない時にそっと手を差し伸べる。
その姿、そして息子への言葉が心にしみ込みます。

ブロークバック・マウンテン

あらすじ
夏の間、ブロークバック・マウンテンで羊番の仕事をするうちに、愛し合うようになったカウボーイのイニスとジャック。
やがて下山の日を迎え、二人は燃えるような想いを胸に抱いたまま、別々の人生を歩み始めます。

作品情報
カテゴリ:ゲイ、バイセクシャル
監督:アン・リー
主なキャラクター:イニス・デル・マー(ヒース・レジャー)、ジャック・ツイスト(ジェイク・ギレンホール)、アルマ(ミシェル・ウィリアムズ)、ラリーン(アン・ハサウェイ)
上映時間:134分
受賞歴:第78回アカデミー賞監督賞、脚色賞、オリジナル音楽賞、第63回ゴールデングローブ賞(ドラマ部門)作品賞、監督賞、脚本賞、オリジナル主題歌賞

見どころ
・自分の気持ちに素直になれなかった二人のラブストーリー
・夫の本当の気持ちを知った妻の対応

長い時間をかけ、深まる二人の愛が表現された、究極のラブストーリー。
一緒になりたいと願うジャックと対照的に、子供の時に見たゲイの末路が忘れられず、それを拒むイニス。
彼が自分の気持ちに素直になれなかったことが、取り返しのつかない結末に繋がります。
事実を知った時のアルマの絶望と、ラリーンの寛容な態度という、妻の対称的な反応も印象的。

マイ・プライベート・アイダホ

あらすじ
緊張すると眠ってしまう奇病、ナルコレプシーを患う男娼のマイク。
彼は市長の息子でありながら、男娼をする親友のスコットに想いを抱いていました。
ある日マイクはスコットを誘い、自分を捨てた母親探しの旅に出ます。

作品情報
カテゴリ:ゲイ、バイセクシャル
監督:ガス・ヴァン・サント
主なキャラクター:マイク(リバー・フェニックス)、スコット(キアヌ・リーブス)
上映時間:102分
受賞歴:第48回ヴェネツィア国際映画祭主演男優賞(リバー・フェニックス)

見どころ
・愛を探し求め続けるマイク
・主演二人の瑞々しい美しさ。
・ガス・ヴァン・サント監督ならではの映像美

都会と田舎、現在と過去、理想と現実の対比が、叙情的な美しさを見せる、美しく切ない青春映画。
複雑な家庭から飛び出し、男娼としての生き方を選んだマイク。
叶わない願いを夢に見る彼が切なく、何かを諦めるような姿に胸が締め付けられます。
スコットへの想いを隠し、母親探しの旅を続けるマイク。
果たして望むものを手にできるのでしょうか。

スリラー

美しい映像とじわじわと広がる不気味さ、緊張感や不安感から抜け出せなくなるスリラー作品。
正体不明の恐怖と印象的なキャラクター、先が気になるストーリーなど、不思議な魅力から目が離せなくなります。

トム・アット・ザ・ファーム

あらすじ
トムは恋人を事故で亡くし、葬儀の為に恋人の故郷へ向かいます。
そこで出会ったのは、息子がゲイだったと知らない母と、嘘を強要する威圧的な兄。
閉鎖的な空間で追い詰められたトムは、少しずつ正気を失っていきます。

作品情報
カテゴリ:ゲイ、バイセクシャル
監督:グザヴィエ・ドラン
主なキャラクター:トム(グザヴィエ・ドラン)、フランシス(ピエール=イヴ・カルディナル)、アガット(リズ・ロワ)
上映時間:100分
受賞歴:第70回ベネチア国際映画祭国際批評家連盟賞

見どころ
・恋人を失ったトムの悲しみ
・閉鎖的な空間で生まれる、フランシスとの奇妙な関係

最愛の人を失った今、出来るのは君の代わりを探すこと。
作品の本質が凝縮された、この言葉。
恋人の実家で思い出に浸りながら、兄フランシスに嘘を強要される毎日を過ごすトム。
異様な状況から逃亡を試みるも、彼がフランシスに恋人を重ね始めてしまう描写に、ぞくりとさせられます。
終わった後もラストの"その後"を想像し、余韻から抜けられなくなる不思議な作品。

ヒューマンドラマ

自分の居場所やセクシュアリティに悩む主人公。
周囲にはそっと寄り添う人だけでなく、戸惑いを隠せない人もいます。
自分を模索するLGBTと、彼らと関わる周囲の関係にも注目して欲しい、ヒューマンドラマ3作品の紹介です。

ムーンライト

あらすじ
貧困地域で暮らす、内気な少年シャロン。
母は麻薬に溺れ、学校ではいじめられる毎日。
そんな時に麻薬売人のファンに出会い、初めて自分の居場所を見つけます。
成長したシャロンは、唯一の友達ケヴィンが好きだと気が付きますが...

作品情報
カテゴリ:ゲイ
監督:バリー・ジェンキンス
主なキャラクター:シャロン(幼少期:アレックス・ヒバート、少年期:アシュトン・サンダース、成人期:トレヴァンテ・ローズ)、ケヴィン(幼少期:ジェイデン・パイナー、少年期:ジャレル・ジェローム、成人期:アンドレ・ホランド、ポーラ(ナオミ・ハリス)、テレサ(ジャネール・モネイ)、フアン(マハーシャラ・アリ)
上映時間:111分
受賞歴:第89回アカデミー賞作品賞、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)、脚色賞、第74回ゴールデングローブ賞(ドラマ部門)作品賞

見どころ
・少年期、ティーン期、成人期に分け、主人公の自分探しが描かれている。
・心の支えとなる人たちとの出会い

自分は必要な存在なのか。
なぜ人と違うのか。
不遇な環境で育ち、居場所を探し続けるシャロン。
理解者との出会いが、孤独な少年を支え続けます。
悩みを抱え生きてきた彼は、どうやって自分を受け入れるか。
決して多くを語らない主人公ですが、その目に、言葉にできない凝縮された彼の思いが宿っています。

めぐりあう時間たち

あらすじ
1923年、ロンドン郊外で執筆する作家ヴァージニア・ウルフ。
1951年、LAに住む妊婦ローラ・ブラウン。
2001年、NYで祝賀会の準備をする編集者クラリッサ。
生きる時代も場所もバラバラの3人の1日が、『ダロウェイ夫人』によって重なっていきます。

作品情報
カテゴリ:レズビアン、バイセクシャル
監督:スティーヴン・ダルドリー
主なキャラクター:ヴァージニア・ウルフ(ニコール・キッドマン)、ローラ・ブラウン(ジュリアン・ムーア)、ダン・ブラウン(ジョン・C・ライリー)、クラリッサ・ヴォーン(メリル・ストリープ)、リチャード(エド・ハリス)
上映時間:115分
受賞歴:第75回アカデミー賞主演女優賞(ニコール・キッドマン)、第60回ゴールデングローブ賞(ドラマ部門)作品賞、主演女優賞(ニコール・キッドマン)、第53回ベルリン国際映画祭女優賞(ニコール・キッドマン、ジュリアン・ムーア、メリル・ストリープ)

見どころ
・別々の時代の3人の女性の生き方
・バラバラに見えて、繋がっていくストーリー

『ダロウェイ夫人』を通して、別の時代に生きる女性たちの人生が、一つに繋がっていく。
繊細な作家ヴァージニア。
理想の女性の生き方に疲れるローラ。
美しい思い出を守りたいクラリッサ。
実は同性に想いを抱き、その時代の女性に求められる役割とは違う生き方をするなど、共通点がある彼女たち。
ストーリーは難解ですが、一度見たら忘れられない、心に響く名作です。

アバウト・レイ 16歳の決断

あらすじ
16歳になり、身も心も男として生きる決心をしたトランスジェンダーのレイ。
その決断に、母マギーは戸惑いを隠せません。
更にホルモン治療に必要な両親の同意を巡り、家族の絆を揺るがす秘密が明らかになります。

作品情報
カテゴリ:レズビアン、トランスジェンダー
監督:ゲイビー・デラル
主なキャラクター:レイ(エル・ファニング)、ドリー(スーザン・サランドン)、マギー(ナオミ・ワッツ)、フランシス(リンダ・エモンド)、クレイグ(テイト・ドノヴァン)、マシュー(サム・トラメル)
上映時間:92分

見どころ
・性の不一致に悩む16歳のレイ
・男性になりたいレイと母親の葛藤

レイの決断について、彼と母親の二人の立場から描かれている点に注目。
男性になると決め、自分の人生が開かれていくレイの変化を、エル・ファニングが好演。

一方で理解を示すものの、決断を支持できない母の葛藤にも共感できます。
子供の意思を尊重したい、でも、もしその決断を本人が後悔する日が来たら...
性を変えるという重みを、様々な角度から映し出しています。

LGBT映画おすすめ まとめ

LGBT映画、おすすめの全20作品を紹介しました。

映画を見て感じたのは”多様な性を認められるか、知ろうとするかが大切”だということ。
自分と違うから、よく分からないから差別や攻撃してもいい。
そう考えるのではなく、知ろうとする、違いを受け入れる風潮になれば、人を傷つける言動が減っていくのではないでしょうか。

紹介作品の中で印象深かったのが、『チョコレート・ドーナツ』、『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』、『キャロル』、『君の名前で僕を呼んで』、『トム・アット・ザ・ファーム』です。
気になっていたのに何となくスルーしていましたが、見て良かったと心から思える映画でした。

様々な価値観が描かれた、名作揃いのLGBT映画。
LGBTについて考えるきっかけになるだけでなく、あなたの忘れられない一本に出会えるかもしれません。

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