今回スポットライトを当てる映画は2019年5月31日に日本で公開された新感覚!?ゾンビ×青春ミュージカル!「アナと世界の終わり」
青春ものとミュージカルというのは、なかなか名作が多い取り合わせです。
近年では『シング・ストリート 未来へのうた』や海外ドラマ『glee』などのヒットが記憶に新しいところです。
そして、そんなある種 ”王道”ともいえる青春ミュージカルに、”ゾンビホラー”の要素をドッキングさせた、とんでもない映画
が『アナと世界の終わり』です。
なかなか発想が及ばない不思議な取り合わせですが、これがまた面白い!
世界中の映画祭で上映され、映画マニアを唸らせてきた本作の魅力について紹介していきます。
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『アナと世界の終わり』あらすじ
イギリスの田舎町に住む高校生のアナは、早くに母親を亡くし、父親トニーと平凡な二人暮らし。
気は優しいですが面白味にかけるボーイフレンドのジョンをはじめ、周りにいる友人たちも今一つパッとしない。
そんな生活から抜け出すため、アナは大学進学よりもオーストラリアに行きたい、と密かに 計画を練っていました。
しかし、ひょんなことから父親にその計画がバレてしまい、思い悩んでいたところ、いきなりアナの住む街をゾンビの大群が襲います。
アナやその友人たちは大量のゾンビに囲まれながらも、今まで意識してこなかった平和な生活のありがたみや、情報社会のいびつさ、そして家族・恋人の大切さについて考え直します。
生き延びるために戦い、安全な場所を目指すアナたちですが...。
『アナと世界の終わり』あらすじラスト(ネタバレ)
アナたちは懸命にサバイバルの努力を続けますが、次々と悲劇や絶望に巻き込まれていきます。
アナは、友達はもちろん、不仲を乗り越えられそうだった父親とも悲しい別れを経験します。
最終的に生き残ったメンバーは、アナを含めて3人だけ。
3人には、数々の試練や悲劇を乗り越え、人間として大きく成長した跡が見てとれます。
しかし、ゾンビで溢れかえった街を命からがら逃げだした3人を、果たしてこれからどんな運命が待ち受けているのでしょうか。
3人を乗せた車は、薄暗い空の下走り去っていくのでした。
『アナと世界の終わり』の見どころ2点
ミュージカル x ゾンビという思い切りの良さ!
なんといっても、ミュージカル×ゾンビという組み合わせが本作における一番の売りであり、見どころだと言えます。
序盤は青春ミュージカル映画として物語が展開します(それでもところどころにゾンビを 匂わせる描写があります)が、ある時を境に世界が一変します。
そして、そんな世界が一変する境界で繰り広げられるミュージカルシーンが、絶品なのです。
新しい一日の始まり、曇り空の朝。
晴れやかな表情で歌い踊るアナの後ろには、ゾンビに襲われて逃げ惑う人々の姿。
このミスマッチさがとても面白く、ミュージカルだからこそできる大胆な表現には拍手を送りたくなります。
ちなみに、
「アナも絶対ゾンビに気づいているだろう!」
というようなツッコミはご法度。
このユーモアと思い切りこそが本作の醍醐味なのです。
心に残る数々の名曲!
映像の面白さはもちろんながら、ミュージカルにおける楽曲クオリティの高さもお墨付きです。
イギリス映画ではありますが、曲は UK ロックやパンク色ではなくはポップス寄りで、非常にキャッチーです。
キャラの心情や、絶望的な現状をうまく表現した歌詞と、更に迫力満点な編曲・映像も相まって、観る者の心をガッシリとつかみます。
現在、youtubeにはオフィシャルのものも含めて、本作からのミュージッククリップがたくさん公開されていますので、気になった方は是非チェックしてみてください。
『アナと世界の終わり』をオススメできる人
やはり、単純に”面白い映画を求めている方”には非常にオススメです。
本作はゾンビ映画として伝統的なシーンや設定をしっかりと踏襲しており、ゾンビ映画というだけで興味をそそられてしまうという方にももちろんオススメです。
笑って、グロくて、切ない。
そんな盛沢山のエンターテイメント作品を求めている方は是非本作をご覧ください。
『アナと世界の終わり』をオススメできない人
これまでのレビューでお気づきであるとは思いますが、純粋なホラーとしてゾンビ映画を求める方には、本作は残念ながら不向きな映画となっています。
コメディ要素もありながら、グロテスクな表現もやはり散りばめられているため、そういった描写が苦手な方も注意してください。
特に後半は、コメディよりもゾンビ映画としての要素が強くなり、ハッピーエンディングは期待できませんので、楽しい結末を迎える映画が見たいという方にはオススメできません。