2014年に公開され、世界中で大ヒットしたディズニーアニメ映画『アナと雪の女王』。
世界興行が12.7億ドル(約1,280億円)、日本でも255億円という驚異的な数字を叩き出し、第86回アカデミー賞アニメ映画賞やゴールデングローブ賞を受賞しました。
また主題歌の「レット・イット・ゴー」も大ヒットし、アカデミー賞の歌曲賞を受賞しています。

アンデルセン童話の「雪の女王」からインスピレーションを得て作られた物語に、今までのディズニープリンセンスとは一味違うエルサとアナという二人のプリンセス、魔法で作り出された雪だるまオラフなど魅力的なキャラクターが登場します。

オリジナル版はエルサの声を、舞台でも活躍する女優イディナ・メンゼルが、アナの声を『バーレスク』やテレビドラマ『ヴェロニカ・マーズ』に出演したクリスティン・ベルが担当しています。

日本語吹き替え版では、松たか子がエルサの声を、神田沙也加がアナの声を担当し、素晴らしい歌声と演技で高い評価を得ました。

なぜ雪の女王は王国を冬で覆い、差し伸べられた手を振り払い、孤独であることを選んだのか。
「雪の女王」から着想を得た今作は、孤独な雪の女王エルサと彼女を救おうとするアナの物語になっています。

作品情報

原題 Frozen
公開 2014年3月14日
監督 クリス・バック、ジェニファー・リー
原作 ハンス・クリスチャン・アンデルセン『雪の女王』
主なキャスト(英語版) イディナ・メンゼル、クリスティン・ベル、サンティノ・フォンタナジョナサン・グロフ
主なキャスト(日本語版) 松たか子、神田沙也加、津田英佑、原慎一郎
ジャンル アニメ
上映時間 102分
主な受賞歴 第86回アカデミー賞:長編アニメ映画賞、歌曲賞(レット・イット・ゴー)

アナと雪の女王予告動画

アナと雪の女王予告編

アナと雪の女王あらすじ

アレンデール王国のプリンセス、エルサ(声:イディナ・メンゼル/松たか子)とアナ(声:クリステン・ベル/神田沙也加)。
姉のエルサは生まれつき、雪や氷の魔法を使うことができました。
しかし魔法でアナを傷つけたことで、自分の力を恐れるようになったエルサ
力を制御出来るまでは人と関わらないようにと、城の門は固く閉ざされ、姉妹は離れ離れになります。
そんな生活が続く中で王と女王が事故に遭い、帰らぬ人となってしまいます。
悲しみに暮れるアナと自分の殻に閉じこもるエルサ。
姉妹の溝は深まるばかりでした。

3年後エルサの戴冠式の日。
久々に城門が開き、大興奮するアナは、ハンス王子(声:サンティノ・フォンタナ/津田英佑)に出会います。
楽しい時間を過ごし、王子からプロポーズされたアナはエルサに婚約したことを告げます。
しかしエルサは結婚を認めず、苛立ちのあまりつい魔法を使ってしまいます
これに動揺して城から逃げ出してしまいます。
そして北の山へ辿り着くと、自分の居場所となる美しい氷の城を作り上げます。

魔法によって冬に覆われたアレンデール。
アナはハンス王子に城を任せ、エルサを探しに向かいます。
途中で出会ったクリストフ(声:ジョナサン・グロフ/原慎一郎)の助けを借りて北の山に向かい、雪だるまのオラフ(声:ジョシュ・ギャッド/武内駿輔)と出会います。

そして氷の城に辿り着いたアナは冬を終わらせるようエルサに頼みます。
しかしエルサは力を暴走させてアナの心臓を貫ぬき、一行を城から追い出してしまいます。
アナの身を案じるクリストフの提案でトロールの元へ向かうと、魔法の力で心が凍りかかっていること、そしてアナを救えるのは真実の愛だけと聞かされます。
魔法の力で弱っていくアナを救う為、クリストフは急いで城へ向かいます。

アナと雪の女王見どころ4点

1点目:エルサの心理を表す氷の城

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You're capable of more than you know. ☄

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二人の対照的なプリンセスが登場する今作。
大切な妹アナにまで心を閉ざして生きるエルサですが、そこには自分の存在に悩み、苦しむ姿があります。

アナを傷つけてしまったことで、自分の力を忌まわしいものだと思い込み、自分の力や他者と接することを恐れるようになったエルサ。
心配した両親も魔法の力を制御する為、常に自分を抑えるよう言い聞かせます。
日に日に強くなる魔法の力と、力を制御できる完璧な自分にならなくてはいけないというプレッシャーが、いつも不安げで神経質なエルサを生み出していくのです。
アナのことを大切に思っていますが、自分のせいで傷つけたくないという強い思いに苦しめられ、”会わない”ことを選ぶのです。

そんなエルサが自分の力を受け入れ、自分らしく生きる決意をしたのが、北の山で魔法の力を試すシーンです。
長い間、抑圧と自分の力への恐怖のもと、必死に完璧な自分を求めてきたエルサ。
北の山に作り上げた氷の城は、自分の力を試すだけではなく、もう自分を偽って生きないという決意を具現化したものでもあるのです。

2点目:もうひとりのプリンセス

張り詰めた雰囲気のエルサとは対照的に、天真爛漫で好奇心旺盛な姿が印象的なアナ
寂しい幼少時代を過ごし、エルサから拒絶されていると勘違いしていることから、心の底では孤独を抱えているものの、アナは常にポジティブに行動します。
お城を駆け回り、機関銃のように喋り続け、出会ったばかりのハンス王子と婚約するなど、その言動はとにかく自由。
しかしエルサがお城から逃げ出してしまった際は、混乱する周囲に毅然とした態度で指揮をとり、責任を持ってエルサを追いかけるなど、頼もしい一面も見せます。

人と関わることの大切さを感じさせるのも、アナというキャラクターの魅力です。
誰とでも分け隔てなく接し、コロコロと表情を変え、失敗を恐れず常に前向きに行動し続ける彼女の姿は、人嫌いのクリストフの心をも動かします。
人の心を動かす力を持っているアナの側には、いつの間にかかけがえのない仲間がいるのです。
もう一人のプリンセスアナは、エルサとは違った魅力とパワーのあるキャラクターとして描かれています。

3点目:戴冠式の意味

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Don't let them in conceal don't feel

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エルサとアナ、それぞれの視点で見る戴冠式のシーンは、二人の心を知ることができる重要なシーンになっています。
エルサにとって戴冠式は女王として、大勢の前で”完璧”な姿を見せなければならない、失敗できない日
一日をだけの我慢だと自分に言い聞かせ、不安と緊張で押し潰されそうな本心を隠し、表舞台に姿をあらわします。

一方で久々の姉との再会に緊張しつつも、待ちに待った城の門が開くことに大興奮のアナ。
アナにとって戴冠式は寂しい日々とは別れを告げ、希望に溢れた新しい日々の始まりになるはずだったのです。

一日だけ我慢すれば、元の静かな暮らしに戻れると考えるエルサ。
希望に溢れた新しい生活を想像して、これ以上我慢しなくてもいいと考えるアナ。
二人の意識のズレが、悲劇を生んでしまうのです。

4点目:エルサとアナの衣装

プリンセス映画の見どころなのが、美しいドレスやヘアスタイルです。
今作では衣装もキャラクターらしさをしっかりと演出している役割を持っています。

エルサのドレスは戴冠式の時のもののように、体を覆い隠すデザインになっています。
これは人に魔法の力を知られてはいけない、隠さなければいけないというエルサの心を強く表しています。
一方で魔法を使ってしまい城から逃げ出した彼女が、雪山で自分の力を試すシーンでは、もう何も隠す必要がないと、今までのドレスとは全く違った印象のドレスを身にまといます。
エルサの衣装が変わるシーンではきちんとした完璧な自分を脱ぎ捨てて、なりたかった自分へと変身するという意味も込められています。

そしてもう一人のプリンセス、アナの衣装は彼女らしさを存分に表すものになっています。
戴冠式の時は、フレッシュさが感じられるグリーンのチュールが美しいドレスで登場します。
アレンデール王国のモデルになっているノルウェーらしさを感じさせる東欧調の模様も可愛らしく、アナの衣装のポイントになっています。
また雪山の小屋で調達した冬の衣装も、同じく東欧調のデザインが施されていて、アナの可愛らしさを引き立てています。

キャラクターの心境を反映していたり、キャラクターらしさを表す重要な役割を担う二人の衣装。
物語とともに衣装の変化にも注目して見ると、また違った角度から作品を楽しむことができます。

アナと雪の女王感想

アニメーションであることを忘れてしまう美しいグラフィック、そして新しいプリンセス像を感じさせるエルサとアナに心を奪われる『アナと雪の女王』。
幻想的なエルサと天真爛漫なアナという二人のプリンセスはいつでも変わらず子供たちを夢中にさせます。
今作が単なるブームではなく、作品自体に人を惹きつけるパワーがあるのだと、改めて感じさせられます。

子供はもちろん大人も心をくすぐられるのが、エルサとアナのドレスや髪型です。
対照的な性格の二人ですが、二人らしさを感じさせるドレスや髪型を見るのも今作の楽しみ方の一つ
完璧さの象徴の戴冠式のドレスと、解放の象徴である氷の城のドレスという正反対の雰囲気のドレスを身にまとうエルサ。
フレッシュさや東欧調のデザインが可愛らしい魅力を存分に引き出しているアナの衣装。
それぞれの衣装に合う髪型も合わせて、マネして見たい!と思ってしまいます。

おとぼけ雪だるまのオラフや、人参んでできたオラフの鼻を食べようと狙うトナカイのスヴェンなど、可愛らしいキャラクターも登場し、ディズニー映画らしく歌で物語を盛り上げていきます
ついつい口ずさみたくなる歌や、魅力的なキャラクターが沢山登場する今作は、大人も子供も一緒に楽しめる作品になっています。

アナと雪の女王総括

ディズニープリンセス映画では初となる、二人のプリンセスが登場する今作。
今までのプリンセス映画とは少し異なり、運命の人や恋だけでなく、自分らしさとは何かということが描かれています。
自分の存在意義に苦しむエルサと、孤独を抱えながらも前向きに生きるアナの姿にも考えさせられるものがあり、大切なものを守る為に二人が選んだ方法からは、それぞれのキャラクターらしさを感じることができます。

美しいグラフィックで描かれた雪と氷の世界、そして二人のプリンセスの姿には、子供はもちろん、大人も目を奪われてしまいます。大人も子供も一緒に映画を楽しむことができるのは、やはりディズニー映画の良いところです。

全世界を熱狂させたディズニーの名作アニメ映画、『アナと雪の女王』。
自分の在り方を模索する二人のプリンセスの姿は大人にこそ見て欲しい、そんなことを感じさせる作品になっています。