あなたは、イギリスの政治家チャーチル首相をご存知でしょうか?
歴史に詳しくない人でも「ヤルタ会談」「鉄のカーテン演説」のキーワードとともに、聞いたことがあるのではないでしょうか。
今回は第二次世界大戦のヨーロッパにおけるキーマン、ウィンストン・チャーチルにフォーカスを当てた映画の紹介です。
歴史の教科書からでは伝わらない彼の人柄や苦悩に注目していただけたらと思います。

2017年に公開されたイギリス・アメリカの合作映画です。
舞台は第二次世界大戦のイギリスになります。
時の首相となったウィンストン・チャーチルに焦点を当てた物語です。

チャーチル首相を演じるのはゲイリー・オールドマンです。
「レオン」「JFK」「バッドマン」「ハリー・ポッター」にも出演した名俳優です。
この作品は第90回アカデミー賞で6部門にノミネートされ、主演男優賞を含む2部門で受賞しました。

ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男 あらすじ

映画ウィンストンチャーチル

(C)2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

物語は進撃の続くドイツを象徴する映像から始まる。
1940年5月9日、ドイツは東欧及び北欧を占領。
ベルギー侵攻が間近に迫っていた。

英国議会ではチェンバレン首相が、ドイツの長期間にわたる軍備増強を許したとして退陣に追い込まれていた。

首相や与党メンバーはハリファックス卿を後任に推薦する。
しかし野党が納得する人物は一人しかいないとして、ある人物に白羽の矢が立つ。
その男の名はウィンストン・チャーチル。

チャーチルは国王ジョージ6世からバッキンガム宮殿に呼び出され、首相に任命される
しかし任命した国王自身は、様々な失敗をしてきたチャーチルに懐疑的だった。

5月11日、チャーチルは議会でドイツに徹底抗戦を行う旨のスピーチを行う。
たとえどれだけ犠牲を払っても、勝利してみせると強い意気込みを表明する。
しかし議会は冷ややかな反応で、幕を閉じる。

その裏でハリファックス卿とチェンバレン元首相がドイツとの和平交渉を視野に入れないことを理由に、チャーチル失脚を計画する。

ドイツは依然として凄まじい勢いで侵攻を続け、ベルギーとオランダは陥落寸前、フランスは敗色濃厚の状況となる。

国内ではチャーチル降ろしの動きが加速していく。

ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男 結末

映画ウィンストンチャーチル ヒトラーから世界を救った男

(C)2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

5月25日、イギリス軍がダンケルク海岸で孤立無援状態になっていることが判明する。
チャーチルは近くの部隊を囮にして、時間を稼ぐことを指示する。
ハリファックス卿はドイツと和平交渉すべきと進言するが、チャーチルは、ヒトラーの支配下に入るなどありえないと一蹴する。

翌日、チャーチルは国王との食事中に、自身の評判についてこぼす。
それは次に何を言い出すのか分からないからだと国王に諭される。

囮にした部隊に多くの犠牲が出ていることが判明し、ハリファックス卿は再度、和平交渉を行うべきと言うがチャーチルはその意見を退ける。
しかしハリファックス卿は24時間以内に交渉しなければ、大臣を辞任するとチャーチルを脅す。
そして、チャーチルの元に囮の部隊が全滅したことが伝えられる。

5月27日、戦況はさらに悪化する。
ベルギーは陥落し、フランスも降伏寸前の状況となる。
さしものチャーチルもイギリスの主権を認めることを条件に、和平交渉を許可する。

弱気になったチャーチルの元に国王が訪ねてくる。
チャーチルは徹底抗戦など誰も望んでいないとして、和平交渉へ方針を転換することを告げる。
しかし国王は意外なことを告白する。
当初はチャーチルを疑問視していたが、今は支持していると打ち明ける。
また国民の声をよく聞けとアドバイスを贈る。
チャーチルと国王はようやく友人同士になれたと励ましあう

翌日、チャーチルは移動中の車外から飛び出し、地下鉄に乗る。
驚く乗客たちに、問いかける。
ロンドンの街中に敵が現れたら、ヒトラーと交渉はどう思うかと乗客たちは最後まで戦うことを口々に話す。
国民の声に涙を流しながら、チャーチルの心は決まる。

彼は議会に戻り、議員たちに徹底抗戦を行う旨の演説を行う。
議員たちは賛成の声を上げ、交戦を訴える。
この結果をチャーチルは内閣に伝える。
そして、和平交渉は行わないとも。

議会でスピーチを行い、最後まで戦い抜くと高々に宣言する。
議員はみな、総立ちで賛成を表明する。
喝采の中、チャーチルは議会を後にする。

ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男 見どころ2点

映画ウィンストンチャーチルと国王

(C)2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

徐々に信頼関係を強めるチャーチルと国王

とにかく馬が合わない二人でしたが、物語を通して徐々に信頼関係を強めていきます。
チャーチルと国王の関係性はこの映画の見どころのひとつです。

チャーチルの首相就任直後から打ち合わせの時間が決まらないなど、チグハグした二人でした。
しかしイギリスの危機を前に言葉数は決して多くないですが、色々と意見を交わしていきます。
物語の終盤では、友人と呼び合うまでに二人の関係性が進んでいきます。

物語の最初から注目すると、ここまで変化するのかと驚くことでしょう

光が印象的

この映画は光の使い方が独特の映画です。
キーとなるシーンでは必ず印象的な光の使い方をします。

例えば国王からチャーチルが首相に指名されるシーンでは、窓から太陽の光が差し込み、二人を照らします。
この光も雲ひとつない太陽の光ではなく、雲がかかったような太陽の光になっています。
曇りが多いイギリスらしい太陽光です。

他にもこの先を暗示するような展開では赤い光が、孤立無援を表すような状況では1点以外は全て真っ暗というシーンもあります。

物語の流れや台詞も大事ですが、こちらに注目してみると違った一面で映画が観られます

ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男 感想

映画ウィンストンチャーチル ヒトラーから世界を救った男はヒューマンドラマ

(C)2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

歴史の勉強では分からなかったイギリスの危機を感じました。
フランス陥落後、イギリスがドイツを退けるという浅い認識しかありませんでした。
しかし実際はイギリスがギリギリまで追い込まれ、降伏寸前までいっていたことが分かりました。
歴史の一部分にフォーカスしてくれるところが、歴史系映画のいい部分だと思っています

また豪快なイメージのあるチャーチルに対しても、印象が変わりました。
やっぱりこの人でも葛藤し、苦悩していたという意外な一面を知ることができました。

歴史系映画のいい部分が、全面的に感じられる映画です。
教科書の一文からでは感じ取ることのできない、その時代の雰囲気や背景を知ることができ、満足のいく作品でした。

ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男 総括

四面楚歌の状況で首相を務めたチャーチルの凄さが伝わる作品でした。
同時にそんなチャーチルも悩み、葛藤する様子が伝わる作品でもあります。

この作品をおすすめできる人は、歴史が好きな方やヒューマンドラマが好きな方です。
歴史の一部分にフォーカスしてくれているため、時代背景まで学べるため、歴史好きの方にはおすすめできます。
またチャーチルを中心に、人と人のつながりを写している作品なので、ヒューマンドラマが好きな方にもおすすめができます。

反対にまったり気分ではなく、激しいアクションが見たいなという方には不向きな作品です。
チャーチルの決断にフォーカスが当たっている作品ですので、アクションシーンは少ないです。

アカデミー賞も受賞している作品ですので、是非一度は観ていただきたい作品です。