ネイビー・シールズ(アメリカの特殊精鋭部隊)史上最大の悲劇と言われた「レッド・ウイング作戦」を唯一人奇跡の生還を果たした実在する人物の酒器「アフガン、たった一人の生還」を原作とした実写化映画。

第86回アカデミー賞の音響編集賞にノミネートされ、戦争の迫力を際立たせる”音”に傾聴しながら鑑賞してください。

タリバン指導者暗殺作戦に一体何が起こったのか?
驚きの事実が明らかになります。

『ローン・サバイバー』あらすじ

2005年6月、アフガニスタン山岳地帯にヘリから4人の男達が降り立つ。
彼らの目的は、現地武装集団を率いるタリバン幹部の排除・殺害。
作戦名はレッド・ウィング作戦

任されたのはアメリカ海軍特殊部隊ネイビー・シールズのマーカス・ラトレル一等兵曹ら4名の兵士である。

彼らは偵察チームとして現地を偵察し、友軍の誘導を主任務としていた。
そして可能であれば目標を殺害することも任務に含まれていた。

山中にある目標地点に到達した彼らは、一旦待機を図る。
しかし意図せず、現地人である山羊飼い3名と接触してしまう。
敵への発覚を恐れた偵察チームは彼らを拘束する。
拘束した3名をどうするか、彼らは前線基地に判断を請おうとする。
しかし電波状態が悪く、前線基地との連絡が取れない。

彼らは独自の判断で、彼らの解放を決める
しかし彼らの解放はタリバンとの交戦を意味するため、作戦を中止し、彼らは山腹へ移動を始める。

それから1時間と経たない内に、100名を超えるタリバン兵に囲まれ、交戦状態に陥る。

彼らも応戦するが、数や装備の多様さに勝るタリバン側の猛攻を受け、次々に被弾・負傷していく。
負傷した彼らは後退を続けていく。

後退を続ける中、ディーツ二等兵曹が戦死する。
衛星電話で決死の連絡を試みたマーフィ大尉も戦死する。
この救援要請は成功し、シールズの隊員を乗せた救援部隊が現地に到着する。

生き残っていたマーカスらは友軍のヘリを見て、歓喜する。
しかしその喜びも束の間の出来事になる。
救援ヘリが降下している最中にタリバン側の攻撃を受け、撃墜されてしまう。

救援ヘリが撃墜され、絶望するマーカス達だが、敵の攻撃の手は緩まない。
その後、最後まで抵抗を続けたアクセルソン二等兵曹も力尽き、戦死する。

深手を負い、弱ったマーカス一等兵曹は落ちるように山中を下る。
途中に池を見つけ、喉の渇きを癒していると、現地人の親子と遭遇する。

警戒するマーカスだが、彼らに攻撃の意図はまるでない。
マーカスは付き添われる形で、彼らの村に移動し、そして匿われる。

マーカスの後を追って来たタリバン側は、彼を処刑しようとする。
しかし村人らは数世紀にわたり、守られてきた部族の掟である「パシュトゥーンワーリ」に従い、彼を守ることを決めていた
タリバン側を追い返すと、救援を求めるため、村人の一人がアメリカ軍基地へ徒歩で向かう。

数日もしない内に、村は多数のタリバン兵士から猛烈な攻撃を受ける。
村の中で混戦が繰り広げられる中、ようやくアメリカ軍の救援部隊が到着する。

マーカスは救援部隊に抱きかかえられる中、助けてくれた親子に心からの礼を述べる。
彼はヘリで基地へ搬送され、緊急手術の結果ようやく一命を取り留めたのだった。

こうしてたった一人の生き残りは、無事に生還した。

レッド・ウィング作戦(英語名:Operation Red Wings)

レッド・ウィング作戦はアフガニスタン紛争において、アメリカ海軍の特殊部隊ネイビー・シールズが行った軍事作戦です。
作戦の基本的なデータや計画は以下のとおりです。

決行日時 2005年6月27日
場所 アフガニスタン・クナル州の山岳地帯
作戦の背景 アサダバード近郊で議会選挙の妨害を狙い、旧タリバン勢力の活動が活発化
目的 活動の中心的人物であるタリバンの幹部アフマド・シャーの殺害
作戦実行者 ネイビー・シールズ
マーカス・ラトレル一等兵曹
マシュー・アクセルソン二等兵曹
マイケル・P・マーフィ大尉

レッド・ウイング詳細計画

フェーズ1 :特定 シールズの偵察チーム4名が、アフマド・シャーが潜伏していると思われる地域を調査。
シャーとその部下の場所を特定し、フェーズ2の攻撃チームを誘導。
可能であれば、狙撃によりターゲットを殺害。
フェーズ2 :排除 シールズの攻撃チームは、海兵隊の支援を受け、輸送ヘリに搭乗。
シャーとその部下を捕獲または殺害。
フェーズ3 :警戒線設定とその周囲の安全確保 海兵隊はアフガニスタン国軍と連携して、周辺の山岳地帯に存在する武装勢力を掃討。
フェーズ4 :地域の安定化 海兵隊とアフガニスタン国軍、海軍衛生部隊は地域住民の要望に応じて、医療や道路、学校などのインフラを整備
フェーズ5 :撤退 状況に応じて、海兵隊は最長1ヵ月間当該区域に残留し、更なる安定化に寄与した後に撤退。

レッド・ウイング作戦の結果

上記のように綿密に練られたレッド・ウィング作戦ですが、結果は悲惨なものに終わりました

全てはフェーズ1の偵察中に、地元民と接触してしまうところから始まります。
1時間もしない内に、武装したシャーとその部下たち襲われます。
マーカス一等兵曹を除く3名が戦死、唯一残った彼も重傷を負ってしまいます。

マーフィ大尉が作戦基地に連絡を行い、友軍の援護を取り付けることに成功する。
基地で待機していたネイビー・シールズ8名の隊員が、第160特殊作戦航空連隊のヘリコプターに搭乗し、現地へ向かいました。
しかし、降下地点で隊員らが降下する直前に、タリバン兵のRPGによる待ち伏せ攻撃を受けヘリは撃墜されました。
搭乗員である第160特殊作戦航空連隊の隊員8名と共に、ヘリに乗り込んでいた16名全員が戦死しました。

ネイビー・シールズの隊員11名と第160特殊作戦航空連隊の隊員8名の計19名が戦死しました。
ネイビー・シールズ創設以来、最大の損害と言われています。
当然、ターゲットのアフマド・シャーの排除は失敗しています。

ローンサバイバーはどこまで実話か

ネイビー・シールズ最大の損害については事実です。
多くの人命が失われ、任務が失敗に終わったという事実については、紛れもなく真実です。
しかしそこに至るまでの過程については、虚偽があるようです。

流れ 映画 実際の様子
1 偵察隊4人が静かに潜入を開始。 ヘリから山に降りた時点で、タリバン側に見つかっていた。
2 地元民と接触。解放1時間後にタリバン兵200名以上に襲撃される。 地元民と接触。解放後すぐにタリバン兵8-10名に襲撃される。
3 マーカス達も応戦し、タリバン兵を50名以上殺害する。 マーカスは交戦せず、逃げ出す。
タリバン兵の死者は0人、マーカスも替えの銃弾を使った形跡がない。

以上のように、過程の部分に関しては映画と史実でだいぶ異なりがあるようです。
この証言自体はマーカスを助けた現地人からのものなので、おそらく真実と思われます。

結論としては、レッド・ウィング作戦の失敗・損害は事実だが、そこに至る過程に虚構が混じっていたと言えます

『ローン・サバイバー』感想

戦争系映画のおすすめランキングなどで、必ず取り上げられる本作でしたが、期待に違わない一作でした。

戦争系映画に求められる激しいアクションシーンや軍人特有の洗練された所作が追求されているので、満足いく作品ではあります。

また戦闘と言う非日常的な状況における俳優人の演技も熱が入っており、その点についても魅入られるモノがあります。

この映画がどこまで真実なのかという点については、少し残念です。
多少のフィクションが入ることに関しては、問題ないと思いますが、まるで異なる事実となると、受け止め方が変わってきます
実際はこうじゃないのかと頭によぎってしまうので、少し残念でなりません。

しかし映画だけを取り上げると、本作は素晴らしい映画です。
アクションはもちろんのこと、俳優人の演技も申し分ないです。

戦争系映画でよく名前が上げるだけの納得感は得られるでしょう。

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