『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『フォレスト・ガンプ 一期一会』等、メガヒット作品でおなじみのロバート・ゼメキス最新作です。
5人の男性に暴行を受け、記憶を失いPTSDになった男性の実話が元になっています。
それを聞くとなんだかフォレスト・ガンプのような名作を連想しますが、しかしアメリカ本国での評判は散々な様子で興行的にも失敗したと言われています。
とは言え奇妙でゆがんだ世界観を持つ本作は、やはり不思議な魅力を持った怪作となっていました。

あらすじ(ネタバレなし前半)

イラストレーターとして有名だったマーク・ホーガンキャンプ(スティーブ・カレル)は、過去にバーで男たちに絡まれ、ひどい暴行を受けた。
その後遺症でそれまでの記憶をなくし、イラストも描けなくなり職を失ってしまった。
たびたび暴行のフラッシュバックが起こり、パニックを起こすこともある。

そんな彼は自分の世界に閉じこもるように、「マーウェン」という架空の街を舞台にナチスとの戦闘を繰り広げるホーギー大佐を主人公にしたストーリーを妄想している。
マーウェンとは、自分の名前である「マーク」と暴行された彼を助けてくれたウェイトレスの「ウェンディ」の名前を組み合わせた造語だ。
マーウェンにはホーギー大佐と大佐を助ける5人の女性、ホーギー大佐につきまとう魔女のデジャ、そして彼らと対立するナチスの親衛隊が登場する。

自宅にはそのマーウェンの街をミニチュアで作り上げ、フィギュアにストーリーを演じさせて写真を撮影していた。
親しい友人にだけ見せていたその写真は評判を呼び、街で個展を開くことが決まった。
特にマーク御用達のおもちゃ屋の店員ロバータ(メリット・ウェヴァー)は大喜びだ。
彼女はマークに好意を持っているようだった。

基本的にはフィギュアの彼らはマーウェン内に留まっているのだが、マークがパニックを起こすと現実世界にも彼らが登場してしまうのだった。
特に魔女のデジャは度々マーウェンを抜け出し、現実世界のマークに囁きかけてくるやっかいな存在だった。

そんなある日、マークの向かいの空き家にニコル(レスリー・マン)という女性が引っ越してくる。
マークは、明るくて感じのいい彼女をマーウェンにも登場させるようになる。
現実でも親しげに接してくる彼女にマークは気を許し、自分の身の上話も聞いてもらうようになる。
そして自分が女性ものの靴が好きでコレクションしていることを打ち明けた。
そのコレクションについても、さほど気にする様子もなかったニコルにマークはどんどん惹かれていく。

あらすじ(ネタバレあり後半)

マークは弁護士から、彼を暴行した5人の男たちの量刑を決める裁判で証言台に立つことを要請される。
意を決して裁判にのぞむマークだったが、犯人の1人の腕に彫られていた鉤十字のタトゥーを目にした途端、発作が起きパニックになってしまう。
マークは証言をすることなく逃げ出してしまった。
裁判官は仕方なく判決の延期を決める。

次の裁判の日はマークの写真展初日と同じ日だった。
帰宅後、マークは自己嫌悪に陥ってしまう。
暴行を受けた時も、女性の靴をコレクションしていることを知った男たちに気味悪がられ、そのせいで彼は目をつけられたのだった。
だから暴行されたのは自分が他の人と違うから、女性の靴が好きなのがいけない、だから自分のせいなのだ、すべて自分が悪いんだ…
そう思い込みさらに発作がひどくなっていくマーク。

そうとも知らず、ニコルはマークの家を訪れ、自分の履かなくなったヒールをプレゼントし、お茶会の約束をする。
自分に優しくしてくれるニコルへの想いを募らせたマークは、マーウェンでホーギー大佐とニコルを結婚させようとする

そして2人でお茶会をしている時、マーウェンでのプロポーズ写真をニコルに見せ、そして現実でもニコルにプロポーズする。
しかし現実でのニコルはマークのプロポーズを丁寧に断った。
ショックを受けたマークはニコルが席を外したタイミングでトボトボと帰宅する。

ニコルはお茶会でプレゼントしようと用意していたプレゼントをマークの家の前にそっと置いていった。
だがそれはナチスの将校のフィギュアだった。
マークは再度発作を起こし、家に閉じこもってしまう。

家ではプロポーズに激怒した魔女のデジャがマークに向かって「タイムマシンを作れ」と要求してくる
そして眠りにつくマークの枕元で、デジャは次の日に飲む薬を増やしながらこう囁く。
この薬を飲めば大丈夫。裁判にも行かなくていいの。あなたの味方は私だけ。

その日のマーウェンでは、ニコルがナチスの将校に銃撃され瀕死の重傷を負っていた。
ホーギー大佐は教会でニコルの無事を祈っていたが、その教会にナチスの将校がやってくる。
格闘の末、将校を倒すがまた息を吹き返そうとしていた。

他の場所でも女たちとナチスが激しい銃撃戦を繰り返している。
ナチスの軍人たちは倒しても倒しても生き返ってくるのだった。

その時、タイムマシンに乗ったデジャがやってきてホーギー大佐を連れて行こうとするが、彼女の腕に鉤十字のタトゥーが入っているのを目にしてしまう。彼女はナチスのスパイであり、デジャがナチスの軍人たちを何度も蘇らせていた張本人だったのだ。

それを知ったホーギー大佐はデジャを殺してしまう。
するとナチスの軍人たちも全員息絶えてしまった。
重傷だったニコルも助かり、ホーギー大佐と彼女は無事に結婚式を挙げる。

翌朝、マークは薬を全て捨てて、デジャのフィギュアも葬った。
彼は裁判所へと向かい、法廷で友人たちに見守られながら証言を終える。

裁判後の夜、マークは自分の写真展へと向かった。
そして彼は写真展に来ていたロバータに、ホーギー大佐とニコルの結婚によって街の名前は「マーウェンコル」に改名したことを教える
現実のニコルも写真展を見に来ていたがマークと言葉は交わさなかった。
マークは側にいたロバータをデートに誘い、食事に行く約束をする。

エンディング
実際のマークの写真とともに、彼は現在もお酒を絶っていること、ニューヨーク北部を中心に数多くの写真展を開いていること、現在ではマーウェンコルの住人は200人を超えたことが紹介される。

フィギュアの演技シーンが見どころ

マーウェンの舞台は第二次大戦中のベルギーとのことで、ホーギー大佐とナチスたちは激しい戦闘を繰り広げます。
しかしそこはフィギュア。
頭を殴ればポコポコと軽快な音が鳴り、爆弾で吹き飛ばされれば体が関節からポキポキ外れてバラバラに散らばるという何とも間の抜けた戦闘シーンの応酬です。
その間抜けさに対するこだわりは徹底されており、感心すると同時にやっぱり笑ってしまいます

感想

奇妙な映画と聞いていましたが、本当におかしな作品でした
フィギュアが演じているパートと現実世界のパートがシームレスに繋がっており、主人公から見た世界がマーウェンでの世界と現実が地続きであることが視覚的に表現されています。
とにかくビジュアルの作り込みが凄まじく、目が楽しい作品といえるでしょう。
世界観に没頭できると非常に楽しめる作品だと思いました。

オススメできる人
フィギュアやおもちゃが好きな人、自分の世界観がある人

オススメできない人
『サンダーバード』等の人形劇が苦手な人

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