今回スポットを当てる映画は「女王陛下のお気に入り

2019年2月15日に公開された映画です。

監督はヨルゴス・ランティモス、主演はオリヴィア・コールマンが務めた。

共演はエマ・ストーン、レイチェル・ワイズ、ニコラス・ホルトら。

アカデミー主演女優賞など数多くの賞を受賞した作品でもあります。

映画「女王陛下のお気に入り」あらすじ

舞台は18世紀のイギリス。
フランスとの戦時下にあったイングランド王宮で王位の座に君臨していたアン女王の物語。

王宮で起こった女性同士の水面下の争いで、日本でいう大奥のようなお話です。

このお話の主人公"女王陛下アン(オリヴィア・コールマン)"は、心も体も病気がち。

常にメンタルは不安定だし、持病の痛風はどんどん悪化していくばかり。

一日中ほとんどベッドか椅子にいるのによく食べるお陰でどんどん体も肥えていき腰痛を悪化させる原因にもなっていました。

そんな女王陛下と幼馴染で、側近でもあるサラ(レイチェル・ワイズ)は、表向きは献身的にアン女王の世話を一手に引き受け、重要会議の議長や貴族たちの取りまとめを全てこなし、裏で女王を良いように操り絶大な権力を振るっていました。

幼馴染でもあるサラに対しての信頼は絶大。
実は他の誰にも知られてはいけない2人だけの大きな秘密がありました。

ある日新しい召使いとしてアビゲイル(エマ・ストーン)がやってきました。

彼女は女王陛下の痛風に効く薬草を見つけてくると、なんとその薬であんなにひどかった痛風の痛みが和らいだのです。

それを機にアビゲイルはただの召使いではなく、アンのお世話をする事になって行きます。

実はアビゲイルのこの献身的な行動は、自分がのし上がるための手段に過ぎませんでした。

サラはいち早くそれに気付き、そこから女の戦いが始まります。

どちらが女王陛下の側にいるか。

アビゲイルはその美貌で周りの男も騙し、巻き込み、どんどん地位を上げて行きます。

そしてアビゲイルは女王とサラの秘密の関係を見てしまい、サラに近づき信頼を自分だけのものにしていきます。

ついに、あんなにサラに執着、依存していたアンは、「アビゲイルがいい」と言い出したのです。

アビゲイルの本性を知っているサラはアンを説得するのですが、アビゲイルの方が一枚上手でした。

お城から追い出されたサラはアンに手紙を書きます。

ですが、届いた手紙はアンの元に届く前にアビゲイルが燃やしてしまいます。

サラのいなくなったお城で、アビゲイルは好き勝手するようになりました。

しかしそれはただサラvsアビゲイルの戦いに勝っただけです。

本当に権力を握っているのは、紛れもなくアンなのです。

アビゲイルは思いました。

いくらのし上がっても、自分はこの城の中でただのアンの"お気に入り"でしかないということを...

女王陛下のお気に入り 見どころ

監督は「聖なる鹿殺し」、「ロブスター」でお馴染みの「ヨルゴス・ランティモス」です。

この監督はよく動物をモチーフにすると言われており、聖なる鹿殺し、ロブスターはタイトル通りの鹿とロブスター。

そして今回の女王陛下のお気に入りでは、ウサギをモチーフにして作られてるようです。

劇中では、女王陛下が20匹ほどの大量のうさぎを飼っています。

今まで死産した自分の子供の名をウサギにそのまま付けています。

よくウサギは寂しいと死んでしまうなどと言われますが、今回ウサギがモチーフにされた理由の一つとして、「孤独」というテーマがあるからだと考えています。

人の輪の中にいても感じる孤独が一番孤独だと、ラストシーンでアビゲイルは感じ、

アンは一番権力のある立場にも関わらず常に孤独を感じ、

大好きだったアンに突然突き放され一人ぼっちになったサラも孤独を感じています。

女王陛下アンを演じたオリヴィア・コールマンは今作品でアカデミー賞主演女優賞を受賞。

正に主演女優賞に値する、身体を張ったお芝居でした。

18世紀のお話ということもあり、舞台セットや衣装に注目して見るのも面白いと思います。

主役3人のドレスはとても綺麗です。

「女王陛下のお気に入り」感想

ヨルゴス・ランティモス監督の作風として、"シュールな笑い"がどの作品にも通じてあります。

今回の作品も女性同士のドロドロしたお話なのですが、ただずっと暗いわけではなく、所々でシュールな笑いを挟んできます。

特にこの作品では男性陣をあえてとても滑稽に書いており、みんなチークと口紅をしっかり付けた"いかにも"なメイクをしています。

食べ物をぶつけて遊んでいるシーンなんかは正にシュールです。

そして時代や立場などは違えど、こういう人周りにいるなと登場人物を身近に感じました。

精神が不安定で、誰でもいいから愛して欲しい。

側にいて欲しい。

アンのような友人もいます。

一見冷たそうだけど本当はとてもまっすぐで情熱的で一途な思いを持った、勘違いされやすいサラのような子もいます。

アビゲイルの様に夢を叶えるために、欲しいものを得るために手段を選ばない子もいます。

女性なら割と身近に感じるお話ではないかと劇場を出た後はそんな事を考えました。

監督の他にも、アビゲイル役のエマ・ストーンのファンなのでそれも含めて見に行きました。

やはりエマ・ストーンは可愛い見た目なのですが、小悪魔的でかわいい、ちょっと意地悪な役が似合うなと改めて思いました。
それに対してサラ役のレイチェル・ワイズの聡明さの対比が見事です。

また、サラを追い払ったアビゲイルが最後、アン王女が子供同然に可愛がっているウサギを踏みつけるシーンの表情が凄く怖くて、可愛い彼女が見せる表情が見ものでもあります。

そして小悪魔的なかわいらしさを持つ女性が自分を取り合っていると分かってとても上機嫌になっているアン女王役、オリビア・コールマンもここまでよく醜悪なスタイルに持っていけたと感心する女優魂です。

※ここから先はネタバレ有りの感想となります。
サラとアン女王の秘密の関係ですが、2人には体の関係があります。

それを知ったエマ・ストーン演じるアビゲイルが自分の美貌とアン女王の哀しみにつけ込んでアン女王と寝ることになるのですが...

アン女王がサラに「彼女は舌でしてくれたわ」と言うシーンがとてもエロティックで印象に残るシーンです。

本作品でアカデミー賞主演女優賞を受賞したのを納得させる演技も必見です!

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