江戸の庶民たちは赤穂浪士たちによる吉良上野介への仇討を超熱望!
しかし、討入りに必要な予算は9500万!
果たして彼らは【予算内】で、一大プロジェクト【仇討】を、無事【決算】することができるのか?
涙と笑いの予算達成エンタテインメント!
鑑賞前に事前に知っておくことでもっと『決算!忠臣蔵』が楽しくなる見どころ3点。
原作の小説を知らなくても映画で爆笑できる?忠臣蔵の史実や歴史を知らなくても面白いのかこれを読むと分かります!
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決算!忠臣蔵作品情報
公開 | 2019年11月22日 |
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監督 | 中村義洋 |
脚本 | 中村義洋 |
主なキャスト | 堤真一、岡村隆史、濱田岳、横山裕、荒川良々、石原さとみ |
ジャンル | コメディ |
上映時間 | 125分 |
原作 | 山本博文「忠臣蔵」の決算書 |
決算!忠臣蔵 予告動画
決算!忠臣蔵 予告編
決算!忠臣蔵 あらすじ(ネタバレなし)
今から約300年前。
賄賂など曲がったことが大嫌いな赤穂藩藩主・浅野内匠頭(阿部サダヲ)は幕府の重臣・吉良上野介に斬りかかり即日切腹。
喧嘩両成敗を理由に赤穂藩は取り潰しとなる。
かたや賄賂を送って幕府に取り入っていた吉良上野介にはお咎めなし。
筆頭家老・大石内蔵助(堤真一)は、嘆く暇もなく、幼馴染者勘定方・矢頭長助(岡村隆史)の力を借り、ひたすら残務整理に追われる日々。
家臣たちが集まり、内蔵助の「討ち入り」を今かと心待ちにしているが、長助からの算段
- 討ち入りせずに退職金を受け取る場合(約270万+1年分の給料)
- 討ち入る場合の退職金(約30万)
にはあまりにも大きな差があり、心の中では多くの退職金を願っている家臣たち。
浅野内匠頭の為にも仇討ちではなく、お家再興が1番だと信じる大石内蔵助。
お家が断絶し路頭に迷う藩士たち。
一度は多額の退職金を受け取るが、”そろばんが出来ず、湯水の如く飲み食いなどでお金を使う侍たち”は早々に資金も底をつき、ツケで食べさせてもらう家臣たち。
※ここでの”そろばんができない”はお金を計画的に使うことの出来ない人の意味です。
それでも時が経つに連れ「赤穂浪士は主の仇討ちもしない腰抜けの集まり」と赤穂浪士は江戸中の笑いものだと仇討ちを希望する声も。
その都度、お金を渡したり言葉巧みに家臣のモチベーションを保つ内蔵助。
しかし、実は内蔵助もまったくそろばんができず、台所事情は長助に頼りっぱなし。
内蔵助を狙った刺客に長助が殺されたことで、いよいよ本気で討ち入りを決意する内蔵助。
そろばんの出来ない大石内蔵助は予算内で無事、討ち入りすることが出来るのか?
決算!忠臣蔵 見どころ3点
1点目:大石内蔵助の心かわり
周りの言葉に翻弄されていく大石内蔵助が見どころの1つです。
討ち入りを決めたかと思えば、撤回。
討ち入りを心底望んでいる家臣と、本音では戦を望んでいない家臣に振り回されるシーンには何度も笑ってしまいます。
吉良上野介の目を欺くために3日連続で遊郭へ通う作戦に出ますが、本当に欺くためなのか見ている人も疑問に感じてしまうかもしれません。
しかし、そこはコメディ映画。
笑いに1つにしてしまいます。
2点目:小さなことからコツコツと
役者たちの大半がよしもとを中心とした芸人さん。
芸人さんとイメージすると演技力に疑問を感じますが、日頃のコントで鍛えている演技力。
何より自身のネタを使った登場シーンは観ているあなたを笑わせてくれるでしょう。
西川きよし師匠の「小さなことからコツコツと」など、よしもと芸人の演技力と小ネタに注目です。
堤真一さんをはじめ、脇を固める役者陣には演技力に定評のある人達ですので、今までの忠臣蔵を知っている人でも違和感なくコメディの忠臣蔵に入っていけるでしょう。
3点目:お金の大事さを教えてくれる
浅野内匠頭の元妻で内蔵助にお金を預けた瑤泉院(石原さとみ)。
内蔵助の妻(竹内結子)がどんぶり勘定の亭主を支えていたと想像すると...
お金のやりくりは本当に大事だと気づかせてくれます。
生活費や食費に家賃。
江戸までの往復の旅費に討ち入りするための道具。
お金はどんどん出ていくばかりで当初は9,500万近くあったお金が大石内蔵助の頭の中では討ち入り前に”赤字”になってしまいます。
当時の侍は「節約」など考えたことのない侍も多く、本人も悪気なく無駄遣いをしたり提案してくるシーンには笑いを誘われてしまいます。
同時に戦をするには多くのお金がかかることが分かります。
会社経営から一家族までサイズに関係なく、いかにお金のやりくりが重要なのか教えてくれる映画でもあります。
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『決算!忠臣蔵』ネタバレ結末
お家再興の為、我慢していた討ち入りもついに幼馴染・矢頭長介(岡村隆史)が殺されたことで大石内蔵助(堤真一)は決意します。
討ち入りは浅野内匠頭(阿部サダヲ)の命日3月14日だと宣言します。
待ってました!と士気の上がる家臣たち。
討ち入りを聞いて江戸から喜んで帰ってくる原惣右衛門(木村祐一)たちは当然旅費(72万/1人)の事など頭にありません。
「何故、帰ってきた!」といくら内蔵助が注意してもあとの祭り。
そろばんの出来ない家臣たちの無計画な行動で日に日に予算は減っていく一方。
しかも”肝心の討ち入りの日に吉良上野介が留守でした”では格好がつきません。
吉良の行動が読めない内蔵助は焦りますが、茶会に出席していることを聞きつけます。
毒見役だった大高源五(濱田岳)は茶人として潜入捜査。
討ち入りの作戦を立てる菅谷半之丞(妻夫木聡)は軍師として完璧な作戦を打ち立てますが、完璧な作戦を実行するにはあまりにも予算が足りません。
内蔵助も必死に頭をフル回転させ、家臣のやる気を削がず、士気を高める方法を考えます。
敵と味方を判別するために赤穂浪士の”赤”の衣装を提案する家臣に対して、火消しの赤穂だと浅野内匠頭が用意してくれていた”火消しの格好”で当日は挑むことを提案し「衣装代の予算は回避」に成功。
喜んだのはつかの間。
敵1人に対して3人一組で囲む戦術には鎖かたびらが必須。
1人分を用意するか、3人分全員に用意するか。
内蔵助の窮地を察し、腕に覚えのある不和数右衛門(横山裕)は「どうせ死ぬんだ!侍なら装備に頼るな」とはっぱをかけますが、実際には戦など経験したこと無い家臣たちは弱腰。
全員分用意するとなると、完全に予算オーバー。
討ち入りまでの生活費が先に無くなってしまいます。
そんな大ピンチを救ったのは潜入捜査をしていた大高でした。
吉良が城にいる日程を突き止めます。
日程は「12月14日!」
内蔵助は14日は殿の月命日だと結びつけ、あなたの知っている史実通り討ち入りを果たすのでした。
『決算!忠臣蔵』感想
登場する役者が全員演技上手で癖のある人達なのが印象的でした。
物語は内蔵助演じる堤真一さんと長助演じる岡村隆史さん、そして濱田岳さんが登場回数としては多いですが、少ししか登場しない役者が豪華だこと!
(敬称略)阿部サダヲ、妻夫木聡、西村まさ彦、寺脇康文、荒川良々、笹野高史、山口良一といった日本を代表する俳優陣だけでなく、
竹内結子、石原さとみと言った主演をはれる女優陣が中村組に集結。
この豪華キャストだけで作品に外れはない。と期待していきましたが期待通りでした。
そして、西川きよし、桂文珍と言ったお笑い界の重鎮も少ない登場で見事に笑いをかっさらっていきました。
西川きよし師匠の持ちギャグ?の使い方や、桂文珍師匠の体を張ったお笑いは笑い声が聞こえてくる、文字通りのコメディ映画でした。
既に映画等、多く出演している板尾創路、木村祐一、上島竜兵、村上ショージは俳優として存在感のある演技を見せてるのと同時に、やはり芸人として笑いを取りに来ているシーンもあり難しいことを考える必要なく笑いたい時にまた観たくなる映画でした。
『決算!忠臣蔵』評価
「決算!忠臣蔵」を初日に鑑賞しましたが、映画館内には観客の笑い声が何度も聞こえてきました。
忠臣蔵と聞くと、お硬い物語をイメージしてしまいますが見事にコメディ映画となっています。
岡村隆史さんが登場しているから面白いに違いない。と観に行くのも良いかもしれませんが至って真面目な役どころ。
そのため、岡村さんで笑うことはありませんが、その分他の芸人さん達が笑わせてくれます。
笑いたい人にはオススメできる映画です。
逆におすすめ出来ない人としては特定の演者さん目当てで鑑賞する人です。
豪華キャストすぎて、例えば阿部サダヲさんの大ファンでサダヲさん目当てに行くと、登場シーンが少なくガッカリしてしまうかもしれません。
他にも忠臣蔵の様な泣けるラストを期待する人にとっては肩透かしを食ってしまうでしょう。
何故なら「討ち入りするまでの映画で、チャンバラシーンは一切出てこない」からです。
剣術とアクションを観たい!という人にはオススメできません。