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『千と千尋の神隠し』は2001年公開スタジオジブリによる、大ヒットアニメーション映画です。
興行収入300億円超え、日本歴代興行収入第1位(※1)をした本作は、第75回アカデミー賞、アカデミー長編アニメーション映画賞受賞だけでなく、ベルリン国際映画祭金熊賞受賞など、世界三大映画祭において史上初の長編アニメーション最高賞を獲得しました。

※1:2021年時点、劇場版「鬼滅の刃」無限列車編が第1位と記録更新中。

監督は宮崎駿。
国内での反響にとどまらず、世界においても注目の映画監督、そして作品となりました。

「この世界がどんなに豊かでたくさんの可能性があるのかを描きたかった」と言うメッセージと共に、宮崎駿監督作品では初めて、仕上げや撮影の工程がデジタル化され、制作においても繊細なタッチと近代的な要素がミックスされた、可能性広がる作品に仕上がっています。

モデルとなった主人公は監督の知人の子供だそうですが、どこにでもいる少女としてデザインされ10歳の千尋が出来上がりました。
人と関わりながら、優しく、そしてたくましく成長していく少女の姿を描きます

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『千と千尋の神隠し』あらすじ

主人公千尋(声:柊瑠美)は、家族で車に乗り、引っ越し先へ向かっています。
途中、道に迷ってしまい、気が付くと目の前に古びたトンネルが現れました。
早く帰ろうと言う千尋と反対に、興味津々な両親はトンネルへ引き寄せられていきます。千尋は仕方なく母にしがみつき、トンネルの向こうの別世界へ迷い込んでいきます。

不思議な街並みに無人の飲食店。
千尋の両親は目の前のおいしそうな料理に無断で手を付け、憑りつかれた様に食べ漁りだします。
するといつの間にか、誰もいないと思った街に明かりが灯り、得体の知れない者たちでにぎわい始めたのです。
気が付くと両親は豚に姿を変えられ、どうにか逃げてきた千尋自身も消えてしまいそうになりました。

その時、ハク(声:入野自由)という少年に助けられます。
ハクは、「油屋」という神々が疲れを癒すために来店する湯屋で働くように助言します。
この世界では仕事を持たない者は湯婆婆(声:夏木マリ)に動物にされてしまうのだと聞かされ、ひとり残された千尋は震える足でハクから聞いた釜爺(声:菅原文太)を訪ね、主人である湯婆婆のもとに連れて行かれます。

「油屋」で働くためには、湯婆婆と契約を交わさなければなりません
千尋と言う名を湯婆婆に奪われ、「千」と言う名で働き始めます
名前を奪われた千尋は両親を助け出し、元の世界へ帰ることができるのでしょうか。

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『千と千尋の神隠し』ネタバレラスト

両親を助けるため無我夢中で目の前の仕事を頑張る千。
知らない土地で奇妙な生活、心の拠り所もなく涙が溢れてくるのです。

千が人間であるが故に、厄介な客をもてなすように湯婆婆に言いつけられることもありますが、必死で頑張る千は徐々に周りからも信頼されるようになってきます。

また、言葉を話さないカオナシが、優しく接してくれた千を求め、砂金をばらまきながら皆の接待を受けます。
カエルの声を借り、千の目の前に手に一杯の砂金を差し出します。
しかし、お金など必要ないと千に拒否され、ショックから次々に周囲の人たちを飲み込んで暴れ出すのです。

一方、湯婆婆の手下となり働くハクは、湯婆婆の双子の姉、銭婆から大切な印鑑を盗み出します。
しかし、銭婆のかけた強い魔法でハクは弱ってしまうのです。
ハクを助けたいという一心で千は銭婆に印鑑を返しに行こうと決意し、全てを吐き出したカオナシを連れ、銭婆のところへ向かうのです。

銭婆は千達を優しくもてなし励ましてくれました。

ふと、千に、幼いころ川で溺れかけた記憶が蘇ります。
脱げた靴、川の中で見たものがはっきりと目に浮かび、その川の主であるハクの本当の名を思い出すのです。ハクは自由を手にすることができ、また、銭婆の元へ行った事をきっかけに、湯婆婆との契約を破棄することができました。
千は自分の名と両親を取り戻すことができたのです。

人間に戻った両親は何事もなかったかのように千尋を連れ車に戻ります。
トンネルを抜けた千尋は、確かな成長を遂げ、喜びを噛みしめ元の生活へと戻っていくのです。

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『千と千尋の神隠し』見どころ4点

千尋の成長

豚の姿になった両親を元の姿に戻したいという思いで「油屋」で働き出す千尋は、礼儀も無く、邪魔にされます。
異色な物を受け入れ難い社会の問題も浮き彫りになりますが、何といっても、初めての経験に涙を拭いながら歯を食いしばる千尋の姿に、思わず手を差し伸べてあげたくなります

そして、人と関わり、千尋の世界が広がっていきます。誰かの為に頑張る姿が人の心に伝わるのです。
びくびくし、礼儀知らずの千尋が、終盤の「湯屋」を後にする場面では、堂々と挨拶し、立ち去っていく様子が印象的です。

異国を感じる街並み

異国を思わせる特徴的な配色と色使い。
何といっても湯婆婆の息子、坊(声:神木隆之介)の部屋の色彩の豊かさと面白さを感じます。
おもちゃだらけの散らかった部屋は、個性的なインテリアで、たくさんの遊び心を感じるでしょう。
また、不思議な世界の中にある、日本の豊かな景色と旅館を思わせる油屋や豚小屋。
日本建築とは違い、西洋を取り入れたような建築物も並び、より空想と現実の狭間の世界観を表現しています

ツッコミどころ満載のキャラクター達

  • 大きすぎる顔の湯婆婆
  • 蜘蛛のような釜爺
  • 「トトロ」の、まっくろくろすけに似たススワタリ

特徴的なキャラクターが多数登場します。
中でもカオナシは、良くも悪くも現代人を象徴するかのようなキャラクターで、うまく表現できず、悩み、思い込み、本意ではなくても人を傷つけてしまいます
とはいっても、きっかけさえあれば考えやり直す力はあり、何が正しいのかを理解していくカオナシに感情移入する人は多いのではないでしょうか。

声の出演だからこそ豪華な顔ぶれ

湯婆婆の声を担当するのは夏木マリ
潔さが感じられる不思議な魅力の彼女は、人の名を奪い従わせる恐ろしい魔女とはいえ、どこか憎み切れないキャラクターを演じます。
そして、陰ながら千尋を応援してくれている釜爺の声を担当するのは菅原文太
日本にあるべき、人間にあるべき大きな優しさを表現しています。

また、坊の声を担当するのは当時8歳の神木隆之介。若干8歳とは思えない表現力、演技力を披露します。
本作だけでなく、その後の多くのジブリ映画にも声優として出演し、2005年「妖怪大戦争」で日本アカデミー賞新人俳優賞受賞したことも注目すべきポイントです。

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『千と千尋の神隠し』感想

子供が主役の子供の為のアニメ映画。
宮崎駿監督は、子供に自信をつけてもらいたいという思いを伝えたかったと言いますが、本作にはそれだけではない奥深さがあります。現に大人である私自身も『千と千尋の神隠し』から気づくことも考えさせられる部分も多く、見るたびに新しい発見ができる映画だと感じています。

そして親との関係にも考えさせられる部分は多くあります。素っ気ない母親は、母に頼りきりな千尋に自立心を持ってほしいという親心なのかもしれません。逆に湯婆婆の過保護すぎる息子への愛にも考えさせられます。
両極端の子育てに、他人事だとは感じられない母と子の関係を感じます

また、次々と登場するキャラクター達に自分を当てはめ、自分は誰に似ているのかと、ゲーム感覚で作品に感情移入することも面白いのではないでしょうか。
大人になるにつれ、ぶら下がるように付いてくる醜い感情や負の気持ち。
余分な物をそぎ落とした時、何が残るのか、自らを見直すきっかけになるかもしれません

『千と千尋の神隠し』総括

遊び心の多いこの作品だからこそ、各々がどんなメッセージを受け取ろうと、正解も不正解もないのです。
前作、環境や動物たちとの共存に強いテーマを感じた宮崎監督の「もののけ姫」から一変、人間と社会そのものをテーマとし、どこにでもいる普通の少女のひたむきさから、学ぶことの多さに驚くでしょう。

人間の私利私欲、地球環境への勝手な過信や言葉の大切さなど、多くのメッセージ要素がある作品です。
だからと言って堅苦しさを感じる必要はありません。
アニメが苦手なお父さんも子供と一緒に、ただ目の前に現れるキャラクターに笑ってみてはいかがでしょう。
千尋の冒険や成長に子供を重ね、子供の可能性に触れてみてください。
千尋パワーにあやかって、きっと自信と可能性に満ちた清々しい気持ちになれることでしょう

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