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昨今、韓国民主化闘争の渦中に多くの観客を引き込んだ韓国映画「1987~ある闘いの真実~」にて、圧力の化身となった俳優キム・ユンソク

今回、自身初の監督作品として脚本・演出を手がけ、主人公の父親デウォン役をも演じます。

監督兼俳優として、不倫をきっかけに二つの家庭が崩壊していく様子を描いたドラマの引き金を引きます。

2015年2月26日、韓国で63年間続いた「姦通罪(配偶者以外と関係を持った男女を処罰する罪)」が廃止されました。

韓国ドラマや韓国映画において不倫はしばしば見受けられますが、社会の変化とともにその描写にも変化が生じています。

緊迫する空気の中で滑稽なシーンに遭遇する度に韓国の劇場内は笑いに包まれ、作品と観客とで作る寒暖差の激しい空気を肌で感じられました。

家族のカタチ、青春時代のしがらみ、女性の本能、命との向き合い方などといった要素が巧みに絡み合い、観る人の倫理観や道徳心を掴んでは大きく揺さぶる作品です。

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『未成年/Another Child(英題)』あらすじ

同じ学校に通う高校二年の女子学生ジュリとユナ。

先日、ジュリの父親デウォンは、ユナの母親ミヒが切り盛りする鴨肉食堂で会社の会食に参加していました。

2人の親しげな様子から、ある不穏な空気を察した彼女たち。

事態がジュリの母親ヨンジュの耳に届くのは一瞬のことでした。

そしていよいよ、2つの家庭の崩壊劇が加速します。

異なる環境で育ったジュリとユナは、お互いの領域に踏み込んでは心身を傷つけ合います。

しかしある日を境に、家族という不思議なチカラによって、社会的に未熟な彼女達に現実と戦う覚悟が芽生え、2人の関係にも次第に変化が生じていきます。

『未成年/Another Child(英題)』見どころ3点

タイトルの未成年に込められた思い

様々な倫理観と道徳心が描かれる中で、社会的地位の未熟さや倫理観の未熟さを目の当たりにしながら、未成年を未成年たらしめているものの存在について問われているかのようです。

世間離れした行動に出会った時、いくら異質だとしてもその人物の思考を辿る過程に面白みを感じられます。

ジュリとユナの等身大の姿を見れば、未成年というタイトルそのものの美しさを実感できることでしょう。

ヨンジェの心理描写

母親として家庭を守り、女として強くしなやかに生きようとするヨンジェの姿に目を奪われます。

時にそれが暴走し、思いがけない結果を招こうとも彼女を責めることが出来ないのは、この物語の中で誰よりもヨンジェという人物を全うし尽くすからです。

同じ母であり女であるミヒとのコントラストも見逃せません。

母として娘に対する愛ある行動、妻として夫に対する姿勢は観る人の心に温かく沁み渡ります。

キム・ユンソク

俳優キム・ユンソクが再び疾走します。

代表作「チェイサー」を彷彿させるどころか、滑稽で救いようのない全くの別人としてスクリーンに姿を現しました。

自らが招いた現実、そして家庭から逃亡する父親デウォンを目の当たりにした日、救いようのない滑稽な男の姿で劇場の沸点になります。

『未成年/Another Child(英題)』をオススメできる人

ジュリとユナ世代の学生、ヨンジェとミヒの母親世代の女性にとって共通点が多く共感しやすい内容です。

家族という柔らかな印象のテーマの中で、韓国映画の魅力ともいえる生々しさや疾走感、そして緊迫さを笑いで打ち破る大胆さをこの作品でも確かに感じられることでしょう。

韓国映画ファンにとって十分に刺激的な96分間がここにあります。

韓国映画初心者にとって、マイルドな雰囲気の中にその魅力を備えた挑戦しがいのある作品に仕上がっています。

そして、キム・ユンソク監督デビュー作として新たな一面を存分に感じていただけます。

『未成年/Another Child(英題)』をオススメできない人

まだ社会に染まろうとはしない未成年の、素直な道徳観を投影した描写が作品の魅力ですが、思いもよらない行動に嫌悪感を抱く方もいらっしゃることでしょう。

怒りや憎しみのような心情を抑えきれずに素直に表現する様が幼稚と感じるならば、傍観者となった私たちを置き去りにして物語は淡々と進んでいきます。

私たちが今まで考えもしなかった選択を時間をかけて受容することで、それは楽しみに変えられることでしょう。

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