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日本でもヒットした、「キリクと魔女」のミッシェル・オスロ監督の新作アニメーション、「ディリリとパリの時間旅行」。

パリの美しきベル・エポックの時代(19世紀終わりから20世紀初め)を舞台に、ニューカレドニアからやってきた女の子、ディリリがパリで出会った配達人オレルと共に、美しいパリの名所やパリの闇の部分を冒険します
オレルの知り合いである、名だたる芸術家や天才と出会いながら、パリで起こっている誘拐事件を解決すべく、奔走します

元気で前向きで、自立心の強い女の子の声を担当するのは、人気子役の新津ちせ
現在公開中の映画「天気の子」の新海監督の実の娘としても知られています。

ディリリと出会ってパリを冒険するハンサムな青年の声を担当するのは斉藤工
また、彼らの力になってくれる、実在のオペラ歌手のエマ・カルヴェの歌声を担当するのはフランスのオペラ歌手ナタリー・デセイ。素晴らしい歌声を披露してくれます。

まるで、この映画は、ベル・エポックの時代にタイムトリップして、パリ旅行を楽しんでいるかのような映画です。

フランス映画祭2019に監督が来日していらっしゃいましたので、Q&Aでの制作秘話などを織り込んで、映画の紹介をしていきたいと思います。

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あらすじ 前半部分(ネタバレなし)

時は、様々な芸術が花開いた、ベル・エポック。
ニューカレドニアから、船で一人の女の子がパリにやってきます。
名前はディリリ。
カナック族とフランス人とのハーフで、どちらにも属せないのが悩みです。
広い世界が見てみたいと、船で密航しようとしていたところ、捕まり、フランスのミシェル夫人に助けられ、パリまで辿り着きました。

ミシェル夫人の家で生活しながら、昼間は万国博覧会の原住民の暮らしを再現するパビリオンで働いています。(実在した展示)

ある日、ディリリは、荷物配達人の青年オレルと知り合います。
人を見る目のあるディリリはすぐにオレルがきちんとした人間だと見抜き、二人は友達になることに。

広い世界を見てみたいディリリは、オレルの荷物を配達する三輪車に乗せてもらい、パリの街を冒険することに。
オペラ座やサクレ・クール寺院などの美しい名所や、貧民街というパリの闇の部分も目の当たりにするのでした。

配達人である、オレルは顔が広く、マリ・キュリー(キュリー夫人)や、モネ、ルノワール、ドビュッシー、サラ・ベルナールなど数々の芸術家や天才とも知り合いで、ディリリにも紹介。

そんな時、パリでは少女を誘拐する男尊女卑の悪党団が暗躍しており、問題に。
ディリリも目を付けられ、何度か誘拐されそうになるのですが、うまくかわすのでした。

あらすじ 後半部分(ネタバレあり)

ディリリはオレルの紹介で、オペラ歌手のエマ・カルヴェに出会い、彼女に気に入られます。
そして、彼女の運転手のルブフに馬車で運転を頼むのですが、ルブフはディリリが生意気だと気に入らない様子。

そんなある日、悪党団から、ディリリを誘拐しないか?と声を掛けられ、ディリリが嫌いなルブフは引き受けてしまうことに。

しかし、悪党団のアジトに行くと、驚くべき光景が広がっているのでした。
誘拐された女性達は黒い布を被せられて四つん這いになり、悪党のトップや男性達の座る椅子、また男性達を乗せて動く乗り物として使われているのでした。
それを見て慄然とするルブフ。
目が覚めます。

一方、ディリリは他の女の子達と一緒に四つん這いになって這う練習をさせられていましたが、何事も前向きで自分で考えて動く彼女は、遂に悪党団のアジトから脱出するのでした。

オレル達の元に戻ったディリリは少女たちを救おう!と芸術家や天才達に力を借りて、救出作戦を考えます。

果たして、ディリリ達は少女達を救い、パリに平和は戻ってくるのでしょうか?

『ディリリとパリの時間旅行』見どころ

「ディリリとパリの時間旅行」の見どころはたくさんありますが、大きく4点を紹介したいと思います。

ディリリとパリの時間旅行 見どころ
  • 映像美
  • 有名人が勢揃い
  • わくわくする乗り物
  • 社会問題

以上を、順に追って解説していきます。

映像美

アニメーションと言うと、日本でも海外でも最近は特に映像が美しく、実写では表現できない、アニメーションならではの映像美があると思います。
パリは美しい街として有名ですが、パリに行ったことのある私から見て、本物のパリ以上にこの作品に描かれているパリは美しいと感じました。

また、オペラ座やオベリスクなどの名所と言われる歴史的建造物は、本物の画像を使ったのでは?と言うリアルさでしたが、監督のお話によると、自分で撮った写真を使ったとのことでした。
アニメーションと写真のコントラストは今までにはないと言う組み合わせで、不思議で効果的な美しい演出です。

それから、最後の方に、イルミネーション輝く飛行船と、エッフェル塔が一緒に映るシーンがあり、これは誰の心にも残りますが、監督にとっても一番美しくできたシーンとおっしゃっていたので、見逃せません。

有名人が勢揃い

この映画には、先にも述べました通り、ベル・エポックの有名な芸術家や天才がたくさん登場します。
知っている人や好きな人にとっては、ものすごくわくわくします。
マリ・キュリー、ピカソ、モネ、ルノワール、ロートレック、リュミエール兄弟、ドビュッシー、サラ・ベルナールなどなど。
この他にもたくさん登場します。

ベル・エポックの有名人がたくさん出てくると言えば、ウッディ・アレン監督の「ミッドナイト・イン・パリ」があり、こちらは実写ですが、そちらの映画が好きな方も楽しめると思います。
逆に見ていない人はこちらを本作品と見比べるのもおすすめです。

知識があればあるほど楽しいので、映画を観ながら有名人を探すのも楽しいと思います。

わくわくする乗り物

この映画には乗り物がたくさん登場します。
まずは、オレルが配達する時に使う三輪車。
ディリリを乗せてパリ案内をするのに活躍する乗り物です。
時には階段を下ったりと危なっかしいですが、躍動感のある動きは一緒に三輪車に乗っているようで楽しいです。

また、エマ・カルヴェが所有している白鳥の乗り物は神秘的で美しく、反対に、男尊女卑の悪党団が悪事に使っている、地下を這いずり回る魚の乗り物は不気味でしたが、想像上の乗り物で実在しないので、乗ってみたいなと興味を惹かれました。

それから、最後の方に登場する、誘拐された少女達を救うために開発された飛行船は美しいパリの街を飛ぶので、わくわくしました。

社会問題

この映画の魅力の一つは、アニメーションにしては珍しく、社会問題も扱っているところです。
大人が見ても楽しめる大人なアニメーションに仕上がっています。
今でこそ男女平等がうたわれていますが、ベル・エポックの時代はまだまだ女性の地位が低く、この映画では男尊女卑の悪党団が、女性を支配しようと暗躍します。
そして、それを阻止しようとするディリリ達。

自立心が強く、自分の意見をはっきり言うディリリは女性が目指したい女性の代表のようですが、監督は決してフェミニズムを描きたかったわけではなく、女性の多い家庭で育った監督は「女性は素晴らしい」という思いを子供の頃から持っていて、それを今作で表現したそうです。

『ディリリとパリの時間旅行』感想

監督が今回この映画の舞台をベル・エポックのパリにしたのは、女性が長い裾のきらびやかなドレスを日常で着ていた最後の時代なので、その姿が美しく起用したとのことでした。
女優やオペラ歌手や踊り子も出てくるので、美しい衣装を見るだけでも、女性である私はわくわくしました。

また、ベル・エポックの有名人については、私にとっても知っている人が多く、会えないはずの昔の人に実際に会えたようでドキドキしました。

特に、画家のロートレックは絵も性格も大好きな人物で、(監督も大好きで、映画上でもキーとなる人物として使用したとのことです)誘拐事件を解決する仲間として奮闘するシーンは楽しかったです。
また、ロートレックだけでなく、彼が描いた踊り子のラ・グリュ(食いしん坊の意)がムーラン・ルージュでカンカン踊りをしていたり、シャンソン歌手のアリステッド・ブリュアンが登場したり、リトグラフ「ディヴァン・ジャポネ」に描かれている女性がバーでお酒を飲んでいたり、と絵に描かれている人物が実際に動いている姿が見られたのは感動で、胸にグッとくるものがありました。

『ディリリとパリの時間旅行』総括

とにかく、フランスが好き、ベル・エポックの時代が好きという方にはおすすめです。
昔の有名人が登場して、話したり動く姿は見ていて、涙ものです。

ただ、ベル・エポックの有名人やパリの名所に関して全く知識がない人は、楽しみが半減するかもしれません。
また、アニメーションと言うと子供向けのイメージがありますが、悪党団のシーンは大人が見ていてもゾッとしてしまったので、小さいお子さんや怖がりなお子さんには向かない映画かもしれません。

アニメーションと言っても、ただ綺麗なだけではなく、パリの闇もしっかり描いた作品は大人にとっても見ごたえ抜群の作品で、リアルなパリが感じられるでしょう。

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