日本では2018年に公開された『ワンダー 君は太陽』。
R・J・パラシオが2012年に発表し、全世界800万部突破した大ベストセラー小説『ワンダー』が原作となっており、ジュリア・ロバーツが先天性の障害を持つ母親を演じた実写化映画。

主人公である10歳の男の子、オギーは他の人とは少し違う特徴を持っていた
その「少しの違い」は一歩外の世界にでると「大きな違い」と捉えられがちだ。
小学校5年生にして初めて外の世界に踏み出したオギーの目に世界はどう映るのか

『ワンダー君は太陽』あらすじ

小学校5年生になる少年、オギー(ジェイコブ・トレンブレイ)は遺伝子の疾患により10歳ながら27回もの手術を受けていた。
人と違った顔で育ってきたオギーはその特徴的な見た目のせいで学校には通わず、母親であるイザベル(ジュリア・ロバーツ)に勉強を教えてもらいながら毎日を自宅で過ごしていた。
だが、いつまでもこの生活を続けるわけにはいかないと考えたイザベルは小学校5年生になることを機に他の子供たちと同じように一般の学校に通わせることを決意する。
幸い、校長先生(マンディ・パディンキン)はオギーを快く受け入れ、学校の案内役として3人の同級生を紹介するのだった。

こうして不安を抱えながらも学校に通うことを自らの意志で決断したオギーだったが、登校初日から周囲の注目を浴び、皆に避けられてしまう。
1人ぼっちで過ごすオギーは挙句の果てに、お気に入りだった三つ編みを貶されてしまい、自宅に帰るや否やその三つ編みをバッサリ切り、お気に入りの宇宙飛行士のヘルメットをかぶって一言も発さなくなってしまったのだった。
初日から困難続きだったオギーを見たイザベルはオギーに最も大切なことを告げる。
-顔は人の過去を示す地図だから、絶対にあなたは醜くないのだとー

『ワンダー君は太陽』ネタバレラスト

イザベルの言葉で再び学校に行く勇気を取り戻したオギーはかねてより得意だった理科の授業を通して徐々にその頭の良さを発揮していく。
また、その理科のテストをこっそり見せたことがきっかけとなり、校長先生から最初に紹介された3人のうちの1人であるジャック(ノア・ジョブ)とも仲良くなっていく。
そう、これこそオギーに初めて友達ができた瞬間だった。

オギーとジャックはごく普通の子どものように毎日遊び、だんだんと親友になっていく。
ジャックと普通に遊んでいる姿を見て、オギーにユーモアがあると気付いた周りの子どもたちも徐々に心を開いていくのであった。
だがある日、ハロウィンパーティーで仮装をし、ジャックを驚かせようとしていたオギーは、オギーのことを毛嫌いしていたジュリアン(ブライス・カイザー)にそそのかされ、ジャックがオギーのことを悪く言っている場面に出くわしてしまう

裏切られたと感じたオギーはジャックと口を利かない日々を過ごすことになるが理科のプロジェクトの為にチームを組むのだった。
その時、ジュリアンからまた、オギーのことを馬鹿にされてしまう。
だが、ジャックは今度こそ心からオギーを友達だと言い、ジュリアンと喧嘩するのであった。
これがきっかけとなり無事に仲直りをしたオギーとジャックは見事理科のプロジェクトでも優勝することとなった。

この後も降ってくる様々な困難を乗り越え、校長先生から優秀な生徒に送られるメダルを贈られたオギー。
メダルを贈られたことを自分のことのように喜んでくれるジャックやクラスメイト、学校の人たち。
入学当初ひとりぼっちだったオギーの姿はもうそこにはなく、オギーは太陽のような笑顔を見せるのであった。

『ワンダー君は太陽』見どころ2点

ワンダー君は太陽に関しての見どころを2点紹介します。

ヴィア(イザベラ・ヴィトヴィッチ)が持つ葛藤

この映画の中で、実はオギーの話と並行して姉であるヴィアの物語もサイドストーリー的な役割として描かれている
ヴィアはオギーのことを心から大切に思っており、正真正銘のオギーの良き理解者である。

だが、普通でないことからどうしてもオギーの面倒にかかりきりになってしまう両親に対して、大人になるにつれ徐々に寂しさを抱くようになる。
そしてオギーに対しても羨ましいという気持ちを持つようになり、ヴィアは殻に閉じこもりになり、葛藤していくこととなる。
これは実際にオギーのような存在の家族がいたとしたら十分に起こりうる兄弟の姿ではないだろうか

ヴィアの精神的な孤独を描くことでこの話がオギーの世界だけで終わることはなく、周囲の人間にオギーが及ぼす影響、また、いかなる子どもも平等に気にかけてあげることの大切さを浮き立たせている。

本当の友達との姿

小学校5年生にして初めての登校。
1つ1つの事件が、オギーが普通でないことをきっかけとして起こったように描かれているが、だが実際は子ども時代に誰もが経験したであろう出来事ばかりである。

喧嘩やいじめっ子、そして周囲との調和…様々な出来事を経験して人は徐々に周囲との関係を作っていくのであるが、ある意味、オギーの家族はオギーのことをとてもフラットに見ていたのではないだろうか。
オギーの身に降りかかった時にも常に冷静で、一人の普通の子どもとしてアドバイスし手助けする姿勢を崩さなかった。
だからこそオギーも悲観的にならず、強くいることができたのではないだろうか。

『ワンダー君は太陽』感想

子どもはとても残酷である。
もし大人がオギーのような人に出会ったとしたら、きっと口には出さず、そしてなるべく態度にも出さず、上辺だけで過ごす人も多いだろう。
だが、子供は良くも悪くも思ったことを口にし、態度にも表す。
だが、その残酷さゆえに純粋に物事を見ていることもできるからこそ、オギーの良いところを認めてあげることができたのではないだろうか。

私たちはこの映画に出てくる子どもたちを通して、偏見のフィルターを通さない、真っ直ぐな心を持つことの大切さに気付くことができるのである。

まとめ(お勧めできる人できない人)

テーマとしては非常にメッセージ性の強い映画ではあるが、どこか少しテンポとしては軽く描かれており、シリアスにならないよう全体的に配慮されている。
いわゆるメッセージ性の強い、「重い映画」を期待している人にはそのキャッチ―さが少し物足りなく感じるかもしれない。
しかし、この映画は子どもを題材にしているが、大人の社会や世間一般の様々なシーンに置き換えることができる

オギーはいつも強かった。
それは泣かない強さではなく、落ち込み、泣きながらも一度決めたことをやり遂げる強さである。
今、自分が落ち込んでいたり、対人関係で悩んでいる人はオギーの姿から自分が最も大切にすべき芯の強さを学べるのではないだろうか。

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