今回スポットライトを当てる映画は2019年3月29日に日本で公開された「ダンボ

1941年にディズニーにより制作されたダンボ。

Baby Mine”の曲に合わせて大粒の涙をポロリとこぼすダンボの姿に、涙を誘われた人も多いのではないでしょうか。

ティム・バートン監督により実写化された今作は、CGで作り出されたダンボとコリン・ファレル演じるホルトが主人公として登場します。

ダンボは母親を、ホルトは壊れかけた親子の絆を取り戻す為に奮闘する姿が描かれています。

実写版『ダンボ』は、ゾウの親子の物語だけではなく、多くを失ったホルトの再生が綴られた物語にもなっています。

映画『ダンボ』のあらすじ

戦争で左腕を失い、サーカス団へ帰ってきた元看板スターのホルト・ファリア。

そんな彼に与えられたのは、曲芸師として表舞台に立つ事ではなく、妊娠中の象ジャンボの世話でした。

彼が世話するジャンボは大きな耳を持つ愛らしい子ゾウ・ダンボを出産します。

子ゾウ誕生にサーカス団の復活を賭けていた団長は、普通の子ゾウではないダンボを見て落胆します。

ホルトの子供達はダンボに興味を持ち、偶然にも羽を吸い込んだダンボが、大きな耳を使って飛べることを発見するのです。

ゾウの親子は幸せな日々を過ごしますが、ダンボお披露目の日に事件が起きてしまいます

耳を隠して観客の前に現れたダンボは、その可愛らしさで会場を盛り上げていました。

しかしアクシデントで大きな耳が現れると、会場内の雰囲気は一変し、会場はダンボを嘲笑する声で溢れ返りました。

子供を守ろうとしてジャンボが大暴れし、テントは倒壊、死者を出す大事故になってしまいました。

事故を起こしたジャンボはダンボと引き離され、売られてしまいます。

悲しみにくれるダンボはピエロにされますが、ホルトの娘ミリーの助けもあり、観客の前で空を飛ぶことに成功します。

ダンボは評判を呼び、一気にサーカスのスターになりました。

ある日ヴァンデヴァーという実業家が、ダンボ達をドリームランドの一員にする為にサーカスへやって来ます。

善人そうに見えたヴァンデヴァーでしたが、目的はダンボを手に入れることと、ドリームランドのスター、コレットとダンボを組ませた新しいショーで金儲けをすることでした。

ダンボとホルト達はドリームランド内にジャンボがいることを知りますが、それに気付いたヴァンデヴァーはサーカス団を解雇して、ジャンボも始末しようとします。

ヴァンデヴァーの本性に気が付いたホルト達は、ジャンボを助け出してダンボと一緒に故郷に返してやろうと一致団結します。

家族と仲間の為に、ダンボとホルト達はヴァンデヴァーに立ち向かうのです。

映画『ダンボ』のラスト(ネタバレあり)

ドリームランドは崩壊し、コレットはサーカス団に迎え入れられます。

そこには、自分の姿に誇りを持ち、晴れやかな表情をして働く団員たちの姿がありました。

ダンボ親子の為に団結した彼らは、家族や仲間を大切にする愛に満ち溢れたサーカス団として蘇ったのです。

一方、サーカス団のお陰で故郷へ戻ることができたダンボ親子。

大自然の中で仲間のゾウの群れを見つけ、ダンボは嬉しそうに大空を羽ばたきます。

自由と親子の時間を手にした二頭は、自然と仲間に囲まれて幸せに暮らすのでした。

映画『ダンボ』の見どころ2点

映画『ダンボ』の見どころは大きく2点だと思います。

  • 多くを失ったホルトがどう再生していくかが描かれている点
  • 実写版ならではのダンボの姿

順に解説していきます。

多くを失ったホルトがどう再生していくかが描かれている点

戦争に行く前のホルトは愛する妻と二人の子供と暮らし、サーカスの看板曲芸師として活躍していました。

しかし戦争で左腕を失いサーカスに戻った彼は、自分の居場所だったこの場所でも、大切なものを失っていたのです。

妻は病気で亡くなり、曲芸のパートナーだった愛馬は資金難に苦しむ団長に売られてしまいました。

そして左腕と愛馬を失ったことで看板曲芸師というポジションも失ってしまいます。

彼は自分が置かれた境遇に戸惑い、表舞台に立てなくなったことに対して不満を募らせます。

とにかく自分の置かれた境遇を何とかしようと焦るあまり、ホルトは子供達の気持ちを考える余裕さえなくしていきます。

次第に親子間に、特に娘ミリーとの間に溝が生まれます。

将来は科学者になる夢をもつミリーに対してホルトが放った言葉は、あまりにも無神経で彼女の心を傷付けるものでした。

子供たちの気持ちまで失いそうだった彼ですが。

大好きな母親と引き離されてしまったダンボと、ダンボを支えようとする子供達の姿を見て、少しずつ変わっていきます。

そしてダンボが観客の前で飛ぶことができたあの日、危険を顧みず、ダンボを懸命に励ますミリーの姿を見て、彼は残された大切なものを守る為に何をすべきかに気が付くのです。

ミリーの夢を応援すると伝えるシーンは感動的でしたし、父親の変化に気がついた子供達は再び彼を信頼するようになります。

多くを無くしたはずのホルトでしたが、全てを失う前に自分自身を変えることに成功します。

ホルトの再生の物語があるからこそ、アニメ版とは一味違った家族の物語を見ることができます。

実写版ならではのダンボの姿

今作のダンボは非常にリアルなゾウですが、コロンとした丸い頭とつぶらな瞳がとても赤ちゃんらしく、ダンボの表情や仕草から、アニメ版とはまた違った可愛らしさを感じることができます。

空を飛ぶシーンでは、羽ばたく度に少し上下する姿が描かれていて、ダンボの重さを目で見て感じることができます。

見た目のリアルさだけではなく、ダンボの重量感や質感といった本物のゾウを感じられるのも、実写版だからこそではないでしょうか。

そして”Baby Mine”が流れる中、親子が引き離されてしまうシーンでは、一緒にいたいのに、それが叶わないという切なさがダンボの仕草からひしひしと伝わってきます。

実写版だからこそ表現できたダンボの細かな部分が、物語をより情緒的なものにしています。

映画『ダンボ』の感想

ホルトの物語を加えたことで、アニメ版とは違う物語になっている今作。

序盤では対照的に描かれていたダンボ親子とファリア親子ですが、やがて助け合い、支え合う関係になっていきます。

お互いの存在があったからこそ、ダンボもホルトも家族を取り戻すことができたのです。

この映画では、ダンボが再びジャンボと暮らせるように努力をする姿に胸が熱くなるだけではありません。

一緒にいることが当たり前になっている家族という存在について、そして自分の大切なものを守る為には何をするべきなのかを考えさせられる映画にもなっています。