映画「ヴェノム」や「マッドマックス 怒りのデス・ロード」など多くの作品に出演してきた俳優トム・ハーディ。
「レジェンド 狂気の美学」では製作総指揮を務め、2017年のドラマ「TABOO」では脚本にも携わったことで今後は俳優業には消極的で製作方面に意欲があるとも言われています。
もしかしたらトム・ハーディの新たな作品はもう見ることが出来ないのかもしれません。
そこで、数々の出演作の中からトム・ハーディの魅力に酔いしれるならこれだけ見てほしい!
という作品や、トム・ハーディのプライベートまで紹介したいと思います。
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トム・ハーディ プロフィール
本名 | エドワード・トーマス・ハーディ |
英名 | Edward Thomas Hardy |
日本読み | トム・ハーディ |
生年月日 | 1977年9月15日 |
出身 | イギリスロンドン、ハマースミス |
身長 | 175cm |
活動歴 | 2001年〜 |
父は脚本家のチップス・ハーディ、母は画家エリザベス・アン。
アルコール依存を克服
10代後半から20代前半はアルコール、ドラッグ依存に苦しみましたが、治療を受けて依存を克服しています。
リッチモンドドラマスクールやロンドンドラマセンターで演劇を学んだトム・ハーディ。
21歳の時にはモデルコンテストで優勝しています。
在学中に映画デビュー
ドラマセンター在学中にテレビドラマ『バンド・オブ・ブラザーズ』に出演。
2001年に『ブラックホークダウン』で映画デビュー。
その後はテレビ、演劇、映画と多方面で活躍するようになります。
受賞&ノミネート歴
2003年に『In Arabia We’d All Be Kings』でイブニングスタンダード新人賞を受賞。
2004年にはオリヴィエ賞にノミネートされます。
2008年にはベネディクト・カンバーバッチ共演のテレビドラマ『Stuart:A Life Backwords』でBAFTAの主演男優賞にノミネート。
2009年、実在の囚人を演じた『ブロンソン』で英国インディペンデント映画賞主演男優賞を受賞。
2010年のイブニングスタンダード英国映画賞にもノミネートされました。
2010年クリストファー・ノーラン監督の『インセプション』でブレイクすると、ハリウッド作品に次々と出演します。
2015年には、『レヴェナント:蘇りし者』でアカデミー賞助演男優賞ノミネート、『レジェンド 狂気の美学』で英国インディペンデント映画賞の主演男優賞を受賞しています。
トム・ハーディのプライベート
プライベートでは一度離婚しているトム・ハーディ。
1999〜2004年の間、プロデューサーのサラ・ウッドと結婚していましたが、アルコールや薬物依存の影響で破局します。
その後、交際していたレイチェル・スピードとの間に、第一子となる男の子が生まれます。
そして2014年、テレビドラマで共演をした女優のシャーロット・ライリーと結婚、現在二人の子供に恵まれています。
トム・ハーディ代表出演作&魅力
1点目:どんな役でも演じられる、高い表現力
トム・ハーディの魅力はその高い表現力。
どんな役でも演じられる演技の幅の広さはもちろん、時には目だけでも語ることができる、非常に存在感のある俳優です。
インセプション
そのトム・ハーディが、ハリウッドでブレイクするきっかけとなったのが『インセプション』。
彼は夢の中で他人になりすまし、ターゲットと接触する偽造師イームスを演じています。
軽そうに見える外見とは裏腹に、鋭い観察眼とクレバーさを兼ね備えているイームスのキャラクターが、セリフの掛け合いや表情で細やかに表現されています。
真面目なアーサーとの絶妙なやり取りも面白く、シリアスな人物が多い中、イームスがバランサーの役割を果たしているので、物語が重たくなりすぎないようにも感じられます。
武装した敵を相手に暴れまわるアクションシーンも必見です。
マッドマックス 怒りのデス・ロード
ファン待望の27年ぶりの新作となった『マッドマックス 怒りのデス・ロード』では、主人公マックスを演じました。
独裁者イモータン・ジョーに反旗を翻した女戦士フュリオサと5人の妻たちを助けるべく、ジョーの軍団に立ち向かうマックスを熱演しています。
目で言葉を語ることができる俳優、トム・ハーディ。
彼は言葉で語る代わりに、表情や立ち振る舞いで主人公マックスの内面を表しています。
非常にスピード感のある今作、彼のこの表現力があるからこそ、物語の流れを止めずに映画に集中できるのではないでしょうか。
息つく暇もない激しいアクションシーンはもちろん、過去の亡霊に悩まされるマックスが、だんだんとヒーローの姿を取り戻していく様子は必見です。
怒涛のアクションシーンに大興奮‼︎『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分
寡黙なマックスとは対照的に、運転する車内で一人話し続けるワンシチュエーションで撮影された『オン・ザ・ハイ・ウェイ その夜、86分』。
電話相手の声は聞こえますが、画面に映し出されるのはトム・ハーディのみという状況で、彼は人生の選択を迫られる一夜を緊張感たっぷりに演じています。
声のトーンや話し方、そして表情で相手との関係性や物語の山場を感じさせるトム・ハーディの演技が本当に素晴らしく、彼の表現力の高さを存分に味わうことができます。
ハリウッド作品とはまた違った、役者トム・ハーディの姿を堪能できる作品です。
トム・ハーディの表現力を堪能できる『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』
ヴェノム
ダークヒーローを演じた『ヴェノム』では、主人公エディと彼に取り憑く地球外生命体ヴェノムの声の一人二役を演じているトム・ハーディ。
重たい雰囲気の映画かと思いきや、意外とコメディっぽい要素もあり、他作品ではあまり見ないトム・ハーディを見ることができます。
そして恐ろしい外見にピタリとはまる、ザラついたヴェノムの声。
その声もトム・ハーディが演じていると知り、改めて彼の表現力の高さに驚かされました。
まずヴェノムの声を録音して、それを聞きながらエディのパートを演じていたそうです。
一人二役を演じたことで、キャラクター同士の気持ちの変化も細やかに表現されていて、二人の間に信頼関係が芽生えていく様子を感じることができます。戸惑いながらもヴェノムを受け入れていくエディの姿と、徐々に変化するヴェノムを表現するトム・ハーディーの声の演技に注目です。
全てを喰らうダークヒーロー‼︎『ヴェノム』
2点目:物語を盛り上げる、魅力的な悪役
悪い役が良く似合うトム・ハーディ。
ここでは彼が魅力的な悪役として出演した二作品を紹介します。
レヴェナント:蘇りし者
『レヴェナント:蘇りし者』では、卑劣で冷酷な男フィッツジェラルドを演じているトム・ハーディ。
この役は息子の為に生きる主人公とは対照的で、自分の欲の為に人を欺き、何のためらいもなく人の命を奪う狡猾な男として描かれています。
感情が欠落したような表情や、人の命を何とも思っていない描写など、フィッツジェラルドの壊れている部分をトム・ハーディが最大限に引き出して演じることで、息子の命を奪われた主人公の悲しみが際立ち、復讐の旅をする主人公に寄り添って物語を見ることができます。
主人公の魅力を引き出す名悪役の演技を見せたトム・ハーディは、今作でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされました。
アカデミー賞ノミネートの名演技が見られる、『レヴェナント:蘇りし者』
ダークナイト ライジング
トム・ハーディの演技が高く評価された悪役といえば、『ダークナイト ライジング』のベインです。
マスクで顔を覆われた強靭な肉体の大男の姿は、演じているのがトム・ハーディとは気が付かないほどの変貌っぷり。
鍛え上げられた見事な肉体ももちろんですが、注目してほしいのが、トム・ハーディの目の演技です。
彼は力強いその眼差しで、ゴッサムシティを滅ぼす意志の固さや、バットマンへの嫌悪を表現しています。
その目の演技でベインの内面を細やかに表現しているトム・ハーディ。
力強い演説シーンはもちろんですが、映画終盤では見せる表情からは、ベインの本当の姿を垣間見ることができます。
彼が何の為に戦い続けてきたのか、目だけで伝わる名シーンになっています。
バットマンを叩きのめした、恐怖と絶望の象徴ベインを演じた『ダークナイト ライジング』
3点目:裏社会に生きる男の姿
トム・ハーディの魅力が最大限に引き出されるのが、裏社会に生きる男の姿を演じた時です。
レジェンド 狂気の美学
特にお勧めしたいのが、実在した伝説のギャングを演じた『レジェンド 狂気の美学』です。
この作品でトム・ハーディは双子のギャングを一人二役で演じています。
頭が切れるカリスマ的な兄レジーと、精神疾患を抱える凶暴な弟ロン。
それぞれの役の異なった魅力と狂気、そして特別な絆で結ばれた兄弟の姿を見事に演じきっています。
恋人に甘い表情を見せ、裏の世界では冷酷なギャングのボスの顔になるレジー、異常な雰囲気を撒き散らしながらも、時にハッとする言葉を呟くロン。
どちらが本当に狂っているのか、トム・ハーディの演技を見ながら、そんなことを考えさせられる作品です。
レイヤーケーキ
10年以上前の作品ですが、同じくクライム映画の『レイヤーケーキ』でも、裏社会に生きる男を演じているトム・ハーディ。
ダニエル・クレイグ演じる主人公の信頼する手下という役で出番は少ないのですが、ピリッとした緊張感と若さを感じさせる鋭い目つきが印象的です。
映画後半にスーツに身を包んで登場するシーンがあるのですが、この細身の若者が『レジェンド 狂気の美学』で伝説のギャングを演じることになると思うと、年月をかけて味のある俳優になったなとファンとしては感慨深くなる作品でもあります。
裏社会に生きる若者を演じた『レイヤーケーキ』
欲望のバージニア
『欲望のバージニア』では、アメリカが最も危険だった禁酒法時代に生きた伝説の男を演じているトム・ハーディ。
実在したボンデュランド3兄弟の中心人物であり、目を覆いたくなるような暴力も厭わない恐ろしい男、フォレストを熱演しています。
暴力的なシーンで見せるフォレストの表情はゾッとするほど冷たく、その一方で恋した女性には手を出せない奥手な面を見せるなど、ギャップのある役を魅力的に表現しています。
切られても撃たれても、何度でも死の淵から這い上がるフォレストの姿は、まさに不死身です。
生々しい暴力シーンが多いですが、信念を持って生きる男を演じる、トム・ハーディの渋さが光る作品になっています。
死の淵から何度も蘇る、不死身の男フォレストを演じた『欲望のバージニア』
クライム・ヒート
最後に紹介するのは、現代のブルックリンが舞台の『クライム・ヒート』です。
この作品でトム・ハーディは、マフィアの金を預かるバーのバーテンダーという役を演じています。
犯罪社会に関わることになってしまった気弱な人物かと思いきや、徐々にこのキャラクターに違和感を感じるようになり、物語は予想をしていなかった展開を迎えることになります。
伏線があちこちに散りばめられ、トム・ハーディが時折見せる狂気的な表情が、物語の謎の部分を更に深くしていきます。
ラストに向かって緊張感が増していく様子がクセになる作品です。
愛犬家としても知られているトム・ハーディが熱心に犬の世話をするシーンにも注目です。
主人公ボブの孤独と狂気を見事に表現した『クライム・ヒート』
トム・ハーディの徹底的な役作り
トム・ハーディは演じる役毎に徹底的に役作りに入ることでも有名な俳優ですが、役に合わせた肉体作りにも注目です。
トム・ハーディの筋肉美
細マッチョなトム・ハーディ。
役に合わせて絞り込むのは朝飯前。
役に合わせてプロレスラーの様な筋肉を作り込みます。
実はボディビルディングのような筋肉と、格闘家のような筋肉の付け方はトレーニング方法が全く異なります。
同じ格闘技でもプロレスラーや総合格闘技でも必要な筋肉が違ってきます。
トップアスリートも顔負けの筋肉を持つトム・ハーディですが、「シグナリング」という珍しい筋トレ方法にてトレーニングを行っているとのこと。
また、筋肉をつけるにはトレーニングだけでなく食事にもかなり気を使う必要があります。
かなりストイックな性格だと分かるでしょう。
トム・ハーディの髪型がかっこいい
オシャレとしても知られているトム・ハーディ。
ファッションセンスは良くパパラッチされていますが、髪型も役に合わせています。
ボウズから長髪オールバックまで自由自在です。
厳選して5点紹介します。
ボウズにラインを入れてワイルドですね。
トム・ハーディまとめ
確かな表現力で役の魅力を最大限に引き出すことができる俳優、トム・ハーディ。
ストイックに演技に取り組み、挑戦し続ける彼の活躍はめざましく、そのことが認められて2018年には大英帝国勲章を叙勲しています。
年齢を重ねるごとに役者としての深みを増しているのも、彼の魅力の一つです。
今後も彼の活躍から目が離せません。